米国では西海岸から東海岸に至るまで多くの州で、ここ数日、発達した温帯低気圧によって大荒れの天候に見舞われている。
西海岸北部のワシントン州といえば、今年の夏48℃の高温に襲われたニュースをお伝えしたが、今度はここ数日、かって経験したことのないような記録的な嵐に見舞われており、
また中部のミズーリ州とカンザス州にまたがるカンザスシティ一帯では13個の竜巻が発生している。
更に西海岸南端のカリフォルニア州は、ここ数年、干ばつと山火事の多発地帯と化しており、
HPでも何回かにわたって大規模な火災の様子をお伝えしてきた。ところがこの秋から天候が一転して、「爆弾低気圧」と呼ばれる急激に発達した低気圧と、上空に大量の水蒸気が流れ込む「大気の河」のダブルパンチに見舞われる事態となっている。
その結果、数日前から州の北部では記録的な
豪雨によりサンフランシスコでは鉄砲水が発生して川が氾濫、街は水に覆われる事態となっている。掲載した写真を見て頂ければお分かりの様に、通行する車はまるで川の中を走っているようである。また州都・サクラメント北部では岩石が滑り落ち、幹線道路が通行止めとなる事態も発生している。
まさに今、米国は災害大国と化して来ており、度重なる災害に遭遇している地域に住む人々は、移住を考えざるを得なくなって来ているようである。
前回お伝えした「幽霊銃」による殺傷事件の発生等の社会問題だけでなく、年々その規模と頻度を増してきているこうした大規模な自然災害、さらには危機的状況にある政府の巨額の財政赤字(2020年度・3兆1000億ドル(350兆円)、21年度・2兆7700億ドル(315兆円))などを考えると、どうやらこれから先、米国社会は遠からずして未曽有の危機に遭遇することになりそうである。