今年のHPの掲載も「真相追及レポート」は100回目を迎え、「八ヶ岳の四季」を加えると120回を超えるところとなった。目の視力低下の問題などもあり、掲載回数を大幅に抑えようとしているものの気候変動、紛争、コロナウイルス等、世界は今かってない規模の難問に直面しており、なかなか希望通りにはいきそうもなさそうである。
今回掲載することになったのは、中国の不動産大手の「恒大グループ」が巨大な負債を抱え経営危機に陥っており、今その影響が世界の株式市場に広がろうとしているからである。「恒大グループ」は中国で2番目に位置する巨大企業であるが、いま直面している負債総額は30兆円超、何と我が国の国家予算の4分の1というから驚かされる。
問題は倒産が現実となった時には中国経済に大きな影響を及ぼすことは必至で、中国だけでなく世界の経済や株式市場に甚大な影響を及ぼす可能性が大きいという点である。現に「恒大グループ」の経営悪化が伝えらえた昨日の米国のダウ平均は一時、今年最大となる1000ドル近く下落する事態となり、香港やドイツの株式市場も大幅な下落となった。
コロナ禍で世界の経済が厳しい状況にあることは明らかであるが、いま世界の株価はそう言った実情を無視し異常な高値を続けており、米国のダウ平均は史上最高値を更新している。しかし、経済の実態に合わないこうした作り物の相場がいつまでも維持されることはないはずだ。
それだけに今回の「恒大グループ」の経営危機が中国経済に甚大な影響をもたらすことになるようなら、世界的な株価の大幅な下落は避けられないかもしれない。また英国のフィナンシャルタイムズ紙は「恒大グループ」の危機は、中国経済の危機的状態の「氷山の一角に過ぎない」ことや、もしもそれが不動産価格の下落につながれば、それを担保にしている銀行の経営にも甚大な影響を与えることになる可能性が大きいことを伝えていた。
23日以降、「恒大グループ」は利払いの期日を相次いで迎えるだけに、その行くへには注目しておいた方が良さそうである。