先月末にハリケーン「アイダ」が米国南部のルイジアナ州に上陸し、その後、熱帯低気圧となって東海岸を北上、ニューヨーク州やニュージャジー州など北東部一帯の8つの州が、記録的な洪水や竜巻などで甚大な被害に遭遇していることをお伝えした。
あれから1週間が経過しているというのに、ハリケーンの上陸地・ルイジアナ州では今もなお停電が続いており、32℃の猛暑の中
120万人の人々がエアコンが使えないだけでなく、水や食糧も足りない厳しい状況下にあり、8つの州の死者数は70人近くに達している。
ルイジアナ州の知事は「まるで爆弾を落とされたような状況で、人々は水もなく電気も使えず、食糧もない状況に陥っており、復旧にはこれから先1カ月が必要だ」と語っていた。
バイデン大統領もそうした悲惨な被災地を視察しているが、被災地があまりに広大となっているため、視察には大変な時間が掛かりそうである。そうした状況下で大統領が語ったメッセージ「ハリケーンや巨大な暴風雨は今後より頻繁に、より強い勢力で襲ってくるだろう」は衝撃的であった。
大統領は私が以前から語ってきた「気候危機の到来」は決して一時的なものではなく、これから先も、危機の到来は避けて通れず、益々その頻度と勢力を増してくることを伝えていたからであった。それはこれから先米国の大統領だけでなく、主要国のトップがみな同様な発言をする事態が来ることを示していた。