気になる経済情報を入手したので、世界経済の先行きについて記すことにした。
それは、国際通貨基金(IMF)が欧州中央銀行(ECB)に対して、デフレ対策を急ぐ
ために更なる金融緩和策を指示することになりそうだ、という情報である。先に「上昇し続ける欧米の株式市場」でお伝えした通り、欧州中央銀行は民間の金融機関が欧州中央銀行に預け
る金利を「マイナス」にするという異例の措置をとったばかりである。
毒薬ともなるマイナス金利を導入したにも関わらず、中央銀行の意図とは違って、民間銀行からの企業への融資は拡大されず、余ったマネーは株式や債券市場に流れ込む状態が続いている。そのため金融バブルはさらに膨らみ、世界各国の株式市場は、景気の低迷とは裏腹にひたすら上昇し続けている。そんな状況下にあるというのに、国際通貨基金は欧州中央銀行に対して更なる金融緩和策をとるよう指示しようとしているのだ。
問題は、デフレ対策を理由に日本銀行や欧州中央銀行が、金融緩和策という「カネのばらまき策」をとる一方で、米国は今年初めから真反対の政策に切り替えている点である。米連邦準備理事会(FRB)は
先日の米連邦公開市場委員会(FOMC)において、債券買い入れ額を先月より更に月額100億ドル(1兆円)縮小し、350億ドル(3兆5000億円)にすることを決定した。
つまり、今FRBは毎月市場にばらまいてきた10兆円近いカネを急いでゼロにしようとしているのである。
この流れで行くと10月までには、米連邦準備理事会が続けてきた資金のばらまきは終了することとなる。 1〜3月期の歴史的な寒波で
景気回復は予測通りに進んでおらず、今年の成長見通しを3%から2.3%に引き下げているのにも関わらず、急いで緩和策を終了しようとしている背景には、米国は金融バブル崩壊の徴候をつかんでいる可能性が大である。
どうやら、今回の欧州中央銀行に対する指示は、資金引き上げが完了するまで市場の混乱が起きないようにするための、時間稼ぎの対応策と考えた方が良さそうである。
こうした一連の動きを見ていると、今年の秋口から年末にかけて、いよいよ株価の暴落が始まりそうである。
これから先しばらくは
、欧州や日本のだぶついたマネーや米国のゼロ金利政策によって、株価上昇は続くものと思われるが、10月辺りが転換点となり、
いよいよ市場崩壊という「地獄のふた」が開きそうである。しっかり見守っていくことにしよう。
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