体調を崩していたため書けなかったが、先週末、米国ではメキシコ湾に面する南部の広い地域が寒波と降雪に見舞われ、ジョージア州で車1000台が立ち往生
し、子供たちの乗ったスクールバスが道路で一夜を明かすなど大きな被害が出て、7つの州で非常事態宣言が出される厳しい状況に見舞われた。
なんとも驚かされたのは南部の海岸に雪が積もっている風景であった。アトランタ(ジョージア州)やヒューストン(テキサス州)
バーミンガム(アラバマ州)といえば、米国南部に位置する冬も温暖なエリアである。ところが、それらの都市の空港で降雪と寒波のため3000便もの飛行機が欠航する事態に至ったことは驚きである。
降雪量は5センチほどだというから、これらのエリアが雪や凍結にまったく慣れていないことの証である。南東部の「大雪での非常事態宣言」と、下記に記す西部の「干ばつによる非常事態宣言」が同じこの時期に発せられることになった米国、これから先の地球の姿を先立って見せられているようである。
年末から何度も厳しい寒さに見舞われているシカゴやニューヨークなど北東部でも、再び降雪と寒波に襲われているようで、無事スーパーボールが終わったニューヨーク州でも除雪車が出動し、厚い防寒服に身を包んだサラリーマンの出勤姿が見られるようである。
西部・カリフォルニア州では100年で最大の干ばつ
一方、西部に目を転じると、カリフォルニア州では2013年は過去100年で最悪の干ばつとなり、今年に入っても状況は変わらず、各地の貯水池が干上がり市民への水の供給が出来ない状況が到来している。昨年7月1日から12月31日までのロサンゼルスの降水量は平年
の23%。ロサンゼルス市街では12月19日を最後に雨らしい雨が降っていないようである。
ジェリー・ブラウン知事は1月17日、水不足に関する非常事態を宣言し、20%の自主的節水を呼びかけていたが、先月末の31日には、州最大の貯水システムであるステーツ・ウォーター・プロジェクトからの水の供給を停止することを発表した。
この決定により、州の約 3000平方キロメートルの範囲に住む住民たち
2500万人が、水の供給先を他に求めることを余儀なくされる事態となった。しかし、カリフォルニア州では他の主要な貯水施設のほとんどで、水量が平均を下回っているのが現状なだけに、住民の水の確保は厳しそうである。
州当局は、いくつかの農業地区では、今後2ヶ月から4ヶ月後には農業用の水の備蓄がなくなると予測しており、カリフォルニア州はアメリカにおけるフルーツ、野菜などの生産量の半分を占めているだけに、州経済への影響が心配だ。また、中部、東部も寒波による野菜や穀物などの不作が懸念されているでけに、
これか先、米国全体で野菜や穀物の不作が問題になってきそうだ。
また、観測史上最大の乾燥は飲料水や農業用水の不足だけでなく、山火事の多発が心配されるところであるが、案じていたように、先月半ば、カリフォルニア州の州都・ロサンジェルスに近いサンガブリエル山脈の麓で山火事が発生し、1300ヘクタールという広大な面積が焼き尽くされるという事態に至っている。
日本のマスコミはこうした事態を本格的に取り扱わずにいるが、米国の異常気象の影響は日に日にひどくなってきており、そろそろ経済への影響も出てきそうである。
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