拡大する暴風雨の脅威
|
|
|
|
海岸沿いの線路は完全に破壊され、復旧には長い期間が予想される
|
|
|
|
|
|
ドーリッシュを通過する最後の列車。この直後線路が破壊されてしまった。
|
|
ここ数日我が国でも厳しい寒波に襲われているが、米国中西部や北東部を襲っている寒波と大雪やイギリス・アイルランド、フランスを襲っている大雨と暴風雨は、その規模が一桁違うようである。
米国の寒波と大雪は何度も報告しているので、読者はその実体を十分ご承知のことと思うが、ヨーロッパを襲っている異常気象も尋常ではない。イギリス、アイルランド、北欧三国、フランス、ドイツなど北部からイタリア、スペインの南部にいたるまで、昨年秋口から冬にかけ異常な温かさが続く中、猛烈な暴雨風が繰り返し通過し
大きな被害を広めている。
中でもイギリスでは、昨年の10月末とクリスマスシーズンに襲った暴風雨は風速が30〜40メートルに達し、20人近い死者を出ている。その傾向は今年に入っても依然として続いており、
デイリー・テレグラフはその被害状況は過去250年間で最悪と伝えている。
この24時間でイギリス南西部沿岸では最大の波の高さを記録。ドーリッシュ地方では海岸沿いの線路が破壊され列車の運行が出来なくなってしまっ
ている。上記の写真を見てもらえれば、高波の規模がいかに凄いものであったか想像できるはずだ。
また、南部のサマーセット平原では昨年暮れから続く豪雨でモアーランドなどのコミュニティーが洪水で孤立し今もなお最悪の状況が続いている。なにしろここ4日間でチャールズ皇子やキャメロン首相、スミス環境庁長官が訪れているのを見れば、いかに事態が深刻な状況となっているかが分かろうというものである。
|
|
|
|
洪水で孤立してしまったイギリス南部・サマーセット平原のモアーランド村
|
|
フランスでも、ブルターニュ地方やパリを中心としたエリア一帯では、7日夜から8日にかけて風速30メートルを超す暴雨風が予想されており、何週間も続く雨の後だけに、かなりの被害が出るのではないかと心配されている。また、スペインとの国境に近い
南西部バイヨンヌ付近で、スペインの貨物船が強風で防波堤に乗り上げ、真っ二つに割れた後さらに分解し、内部の燃料漏れが心配されている。
|
|
|
|
洪水の被害が広がり始めたフランスのブルタニュー半島地方
|
|
一方、ドイツ南部やクロアチア、スロベニアなどは未曾有の寒波と暴風雪に見舞われている。中でもイタリアの東隣のスロベニアの状況は厳しく、ロイターやイギリスのBBC
が伝えるところによると、現在、国土の4の分の1が停電中となっており、学校も半数近くが閉鎖されているようである。
下の写真を見てもらえれば、寒波の凄さが分かろうというものである。
|
|
|
|
スロベニアでは異常な寒波に見舞われ車が氷に覆われてしまった(BuzzFeedより)
|
|
|
|
|
|
ポストナ(Postojna)の町を走る蒸気機関車も、氷に覆われ走行がストップ(BuzzFeedより)
|
|
日本に住んでいては実感できにくいが、欧米を始め、オーストラリア、南米、アフリカ、南アジアなど世界各地を襲っている最近の記録的な災害は、気候変動
がいかに凄まじいものであるかを示している。同様の記事を繰り返し掲載しているのは、読者にはこうした事実をしっかり頭に入れておいて欲しいがためである。
経済の崩壊も目前に迫っているが、こちらは人間の悪知恵で何とか先延ばしすることが出来ている。しかし、迫り来る自然の猛威はとうてい人間の力で避けることは出来ないだけに、明日は我が身と思っておくことが肝心である。
昨日から明日にかけて日本列島を覆う大雪はまだその序章に過ぎない。
|