昨年辺りからロシア極東のカムチャッカ半島で、幾つかの火山の活動が続いていることは以前にもお伝えした通りであるが、2月末にシヴェルチ火山が灰を噴くんだ蒸気ガスを噴き上げ、噴煙の高さは4500mに
達している。
一方、カムチャッカで最も活発な火山の一つであるカルィムスキイ火山は、ここしばらく鳴りを潜めていたが、3月11日に再び噴煙を上げ始め、その後次第に活発化し、3月31日、4月1日には噴煙の高さが1キロメートル、2キロメートルと高くなってきており、火山灰の裾野は火山から南西の方角に50キロの長さにわたって広がって来ている。火山警戒レベルは、1から5段階のうちの4段階になっている。
チリで大地震発生
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震源地に近いイキケ沿岸部の津波による被害の様子
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日本時間の2日08時頃、南米のチリ北部の太平洋沿岸で、マグニチュード8.2の大きな地震が発生したことは、ご承知の通りである。最大で2.3メートルの津波を引き起こしたほか、地滑りで高速道路などが寸断、少なくとも
6人が壁の下敷きになったり心臓発作などで死亡したことが確認されている。しかし、幸いにも被害はそれほど深刻ではないようで何よりである。
震源はチリ北部イキケの北西100キロ、深さは海底から20.1キロの地点
であるが、ここは、環太平洋地震帯の環の中で、火山活動が活発化してきているカムチャッカ半島と正反対に位置している。同じ環太平洋地震帯のカリフォルニアで2月から中・小規模の地震が発生していることは前回「懸念深まる米国の天変地異」でお知らせした通りである。
また、日本ではあまり伝えられていないが、チリで地震が発生したのと同じ2日には、中米のパナマでもマグニチュード6・2の地震が発生している。
追記 3日の10:58(日本時間)にチリでM6.5、11:43にM7.8の余震発生
今回、テレビでチリ地震の報道を見ていて驚いたのは、日本列島の太平洋沿岸に押し寄せている津波情報がテロップで流れる中、津波が心配されている岩手県南部の沿岸部でマグニチュード5.3(8時22分)と4.0(9時47分)の地震が発生したことである。
一瞬、テロップの津波注意報がチリ地震によるものか、岩手県の地震によるものか分からなくなってしまった。なんともおかしなことだが、天変地異が世界規模で広がり出す前兆を見せられたようで、不気味であった。皆さんもそのように感じられなかったであろうか?
実は、チリでは3月中旬頃から、1週間で300回を超す地震が起きており、M4.5以上だけでも40回を超していたのである。
学者の中には、連続地震を巨大地震(カタスロフィー)発生の予兆ではないかと不安視する人も多かったようであるが、まさに不安が的中してしまったわけである。
こうした事はテレビ報道などでは一切伝えていないが、群発地震と巨大地震の関係を知る上で、今回の地震は重要な意味を持っているように思われる。 今最も群発地震が起きているのが米国であることを考えると、なおさらその感が強くなってくる。
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