企業の連鎖倒産始まる
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浙江省の中小企業の連鎖倒産が中国を揺るがす可能性が出てきた
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中国には今、経済問題、所得格差問題、チベット族やウイグル族に代表される民族問題、PM2.5の公害問題、米国同様の異常気象問題など様々な面で大きな危機
に遭遇しつつある。ウイグル族問題はすでに「新疆ウィグル自治区で爆破事件」などで取り上げたように、中国共産党政権転覆につながる問題だけに、習近平主席ら
共産党幹部が最も頭を悩ましているところである。
一方、経済減速による企業と地方政府の債務破綻問題もまた、シャドウバンキング(陰の銀行)による数百兆円という超巨大な融資が背景にあるだけに、中国共産党による一党独裁政権の破綻をもたらす可能性が大である。
今その代表的な例が浙江省で起きようとしている。
上海から南に約170キロに位置する浙江省の杭州市。そこは、主要工業地帯の長江デルタ地帯にあり、中国経済の成長エンジンの役割を担ってきた。しかし今では、このエリアは中国の不良債権の3分の1の発生源となっており、中小の鉄鋼や繊維メーカーが相互保証という制度によって危機的状況に陥ろうとしている。
長江デルタ地帯では、これまで中小の企業が銀行からの融資を受け易くするために、相互に債務保証を行ってきた。実はこの相互保証制度より、一部企業の債務不履行が黒字企業をも巻き込む連鎖反応が発生する事態となってきているのである。
4月以降、ポリエステル繊維メーカーや鉄鋼企業において複数の債務不履行が発生し始めており、連鎖倒産の恐れが一段と高まってきているのだ。もはや
中国の経済成長の原動力の一つだった中小企業は、今や大きな足かせとなってきているばかりか、世界的な金融危機の発生にもつながりかねない状況になっている。
所得格差問題
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JNNニュースより |
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共産党政権に対する不満はウイグル族やチベット族だけではない。漢民族の中でも、都市族と農民族との不平等格差や所得格差に対する不満
が充満し、デモや暴動、テロという社会動乱を引き起こす大きな火種となってなってきている。その典型的な事件が、貴州省で今年2月に走行中のバスの中で男がガソリンに火をつけ、乗客ら41人が死傷する事件であった。
これと同様、社会に不満を持つ者によるバスを狙った事件が、昨日・12日に四川省の宜賓市で再び発生した。今回も何者かバスに火を放ったために、現地時間の12日午後5時頃、市内にかかる橋の上を走っていた公共路線バスが突然爆発。この爆発で少なくとも学生1人が死亡、多数の負傷者が出ているようだ。
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公害問題
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浙江省でゴミ焼却場建設に反対する大規模なデモが発生した
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一方、PM2.5による大気汚染や不十分な汚染処理による水質汚染問題は、国民の健康被害に対する懸念を喚起するところとなり、汚水を排出し続ける工場や排気ガスを排出する焼却施設の建設などに反対する住民らの大規模な抗議行動が、各地で次々と起きてきている。
10日に、浙江省の杭州市で起きたゴミ焼却場建設に反対する大規模なデモは警察官との間に衝突に発展し、住民10人と警官29人が負傷、3名が死亡するところとなった。一部は暴徒化して警察車両30台以上が破壊されたり火をつけられたりなどし
ている。
杭州市は鉄鋼や繊維企業の乱立により、その環境は劣悪な状況となっている。地元の住民たちはこうした環境悪化がさらに悪化することを懸念して、ごみ焼却工場の建設に反対
する今回の抗議デモとなったわけである。こうしたデモが暴徒化し多くの死傷者が発生する事例は、これから先ますます多発し、規模も大きくなってくるものと思われる。
自然災害
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広東省深せん市を襲った洪水(大紀元日本より)
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また一方で、異常気象による自然災害も中国各地で発生し続けており、8日から11日にかけて中国南部と東部を中心に降った雨は、記録的な雨量となって大きな被害を発生させている。
湖南省や江西省、広東省
などでは大雨による地滑りで、1400棟の建物が壊れ、5万3000人が避難している。広東省ではここ数年、毎年のように多くの死傷者を出す洪水が発生しているが、今回降った雨は6時間で433ミリ
という、ここ100年で例のない豪雨であったようである。
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小淵沢講演会のご報告
11日の講演会をもって3回シリーズの「人間死んだらどうなるの?」講演会を無事終了することが出来た。ご参加頂いた皆様に厚く御礼申し上げる。一昨日の講演会は300人収容の大ホールが
ほぼ埋まるほどで、大阪や名古屋の講演会を上回る参加者数であった。
北は札幌や帯広から南は福岡まで、広島、大阪、淡路島、名古屋、静岡、東京、新潟まさに全国各地からご参加頂いただけでなく、米国など海外からの参加者もおられたようで、なんとも嬉しい限りである。
新星地球「アルス」の誕生に向けての心の準備にお役に立てて頂ければ何よりである。
なお、今回の3回分の講演料はペルーに建設した学校の増築費用や子供たちが希望している本の購入費に回させて頂き、残りは今もなお苦境に喘いでいるシリア難民の救済のために「国境なき医師団」に寄付させて頂くことにした。参加者の皆さんやご支援頂いたボランティアの皆さんのお徳積みになれたら幸いである。
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