米国西部は北と南で、まさに天と地ほどの温度差となっている。ワイオミング州のロッキー山脈周辺では12日は氷点下となり、日中の気温も0度止まり。所によっては10センチを越す雪となっている。
また、ミネアポリスの14日の最低気温は2度、シカゴも6度と真冬並みとなっている。
一方、南部のカリフォルニア州では、連日のように30度を超す日が続き、15日のサンタマリアの最高気温は40度、ロスアンジェルスでは38度、サンフランシスコは34度となって
おり、これではもはや春ではなく真夏である。 因みに、ロスアンジェルスの5月の平均最低気温14/最高気温24度である。彼の地に住む人々はさぞや驚きと戸惑いを感じておられることだろう。
猛暑だけなら何とかやり過ごせても、これに記録的な「干ばつ」と「乾燥」、風速25mの「強風」が重なっては恐怖心が湧いてくる! それは大火事に対する恐怖である。案の定、週の初めから1600万人が住む広いエリアに
わたって火災警報が発令され、道路は消防車が通れるように一般の車が通行禁止となっている。
昨日のABCニュースは、カリフォルニア州のあちこちで山火事だけでなく住宅地の火災も発生し、1万5000軒の住民に避難命令が出されていることを伝えている。ニュースの冒頭、アナウンサーは「黄金の州と呼ばれているカリフォルニアが燃えています!!」とカリフォルニア州が黄金色から赤銅色に変色した尋常ならざる状況を伝えている。
必死に鎮火活動に当たっている消防士は「35年間消防士をやっているが、今回は最も困難な消火活動です!」と語っている。たしかにその映像を見ると、まるで燃えて下さいとばかりに乾燥化した大地に、秒速25メートルの強風が追い打ちをかけている地獄絵の様子が映されていた。
発生箇所も14日は3ヶ所であったが、15日には9ヶ所に拡大されており、上空から眺めると立ち昇る噴煙がまるで竜巻のように上空に伸びている。被災した中には
西海岸で最大の海兵隊の訓練施設やカリフォルニア州立大学などが含まれており、ロスアンジェルスとサンディエゴをつなぐ幹線道路も一部閉鎖されている。
とにかく今の米国の気象は尋常ではない。さらに目を東海岸へと転じると「暴風雨」と「洪水」、その中間の中部は南北広いエリアで記録的な「竜巻」に襲われている。
15日にはフロリダで大きな竜巻が発生している。とどまることを知らないこうした異常気象は、これから先米国を「天災のハルマゲドン」へと追いこんでいきそうである。
その実体を知って頂くために、カリフォルニア州の火災の状況をABCニュースから何枚か転載させて頂いたので、ご覧になって頂きたい。私が繰り返し米国の自然災害ニュースを取り上げる理由は、世界中の人々にとって、明日は我が身であるからである。 我が身とは私でもあり、あなた自身のことでもあるのだ。
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