昨日は徳乃蔵の休館日で早朝から富士山麓に写真撮影に出掛けていたので、掲載が遅くなってしまったが、ヨーロッパのバルカン半島3国、セルビア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナでは先週から降り続く大雨で各地で記録的な洪水被害が
発生。
セルビアの首都ベオグラードから西に40キロ離れた都市・オブレノバツはサバ川の氾濫で町全体が泥の湖と化している。海外のテレビが伝える映像を見ると、町のほとんどが水没状態となっており、2階部分や屋根だけが水の中に浮かんでいる。
冠水した道路を水陸両用車に乗って避難する人達がいる一方、取り残された自治体では、今も数百人が救助を待っている状況が続いている。また、避難する間もなく亡くなった方も20名ほど出ており、被災の状況が分かるにつれその数は増してきそうである。
また、国の電力の半分を供給している火力発電所も水没の危機にさらされており、10万世帯を超す家々の停電が続いている。周囲が水に取り囲まれた状況を見る限り、停電状態はすぐに解消することは難しいようである。被災地に入
りしてこうした状況を視察したアレクサンダル・ブチッチ首相は、今回の洪水は「セルビア史上最悪の自然災害だ」と語っている。
また、お隣のボスニア・ヘルツェゴビナやクロアチアの被害の状況も同様で、ボスニアでは
各地で地滑りで住宅が倒壊し既に40人を超す死者が出ており、その数はさらに増しそうである。また1990年代の内戦で埋もれた地雷が地滑りで流出して爆発の危険が出てきており、治安当局は警戒を強めている。
世界各地で広がるこうした洪水にみな共通している点は、半日で1ヵ月分とか、2日で半年分とかといった信じ難いほどの雨量に見舞われていることである。
今回のバルカン半島3国の洪水や地滑りの被害も事前に警報が出されないうちに、突然発生したため犠牲者の数が多発したようである。
思い出してみれば、この冬我が郷里を陸の孤島と化した1・5メートルを越す記録的な大雪も、HPに書いたように30時間にわたって降り続いた降雪によるものであった。もしもこれが雪でなく雨であったら、大変な降雨量となったことは間違いなく、町は前例のない大洪水に見舞われてい
たことだろう。
地球全体がハルマゲドン的な気候変動に見舞われていることを考えれば、これから先は、どこの国に住もうがどこの町で暮していようが、100年に一度とか120年に一度という記録的な自然災害に見舞われる
可能性は一緒である。 他人の災害は全て「明日は我が身」ということを肝に銘じておきたいものである。
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☆サバ川の氾濫で泥の海と化したセブリアのオブレノバツの惨状
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