ブラジルでは「ワールドカップ2014年」が間もなく始まろうとしているが、メイン会場となるサンパウロ競技場を始め幾つかの競技場では工事が遅れ、てんやわんやの状況が続いている。さらには財政負担問題も加わって、50都市で20万人が参加する大がかりなワールドカップ開催反対デモが起き、一部が暴徒化するなどして混乱が続いている。
そんな中、今度は自然災害の脅威に見舞われている。それは気候温暖な秋だというのに、大量の雹(ひょう)が降るという異常気象である。掲載の写真を見てもらえれば分かるように、サンパウロ郊外で日曜日の夜半に降った大量の雹は所によっては10センチ以上積もり、辺り一面銀世界となって、まるで大雪に見舞われたような雹景色が広がっている。
3月21日付けの記事「世界の異常気象」に掲載したように、今年3月にアフリカのエリトリアの首都では直径が1メートルを超す超巨大な雹が降って、家屋や車を破壊するという珍事が起きているが、車のタイヤが埋まるほどの大雪ならぬ大雹というのは
あまり聞いたことがない。現地の住民もかって経験したことがない現象だけに驚いているようである。
ブラジルはこれから先2016年には夏期オリンピックが開催されようとしているわけであるが、通貨の下落問題や公費の無駄遣いに対する反政府デモなど社会の混乱が予想されるだけに、今回の雹はなにやらこれから先のブラジル社会の混乱を暗示しているようで心配である。福島の汚染問題が次第に深刻になって
来ている我が国の2020年オリンピックよりは増しではあるが。
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