高知県の四万十市では昨日、たった1日で平年の6月1ヶ月分の雨量にあたる500ミリが降り、各地で土砂災害が発生している。四万十市と言えば、昨年8月12日に、41度という日本の観測史上の最高気温を記録したことを読者は覚えて覚えておられることと思うが、一昨日6月3日には、北海道中部の音更市(おとふけし)で、37.8度という北海道内の最高気温を記録、各地で多くの市民が熱中症に倒れ救急搬送が相次いだ。
実は、音更町が90年ぶりの異常な高温を記録したその日、偶然にも私はその猛暑のまっただ中に立っていた。1日から4日まで、北海道は大雪山系の山麓に広がる十勝平野の景観を撮影するために帯広を訪れ、音更市とその周辺を訪ねていたからだ。
その間に撮影した写真には、然別湖(しかりべつこ)やオンネトウ湖などの美しい景色だけでなく、ラワン川流域にしか生育しない2メートルを超す超巨大なフキ「ラワンぶき」や、大木の穴に巣を作る珍しいカワアイサと呼ばれる鴨、北海道にだけ生息するエゾリスなどの姿が含まれている。
それらの写真は改めて掲載する予定なので楽しみにしておいて頂きたいが、今回はこの異常な猛暑と1週間近くまったくと言って良いほど雲ない日が続いた異常天候について触れておくことにする。
撮影期間中に私が体験した37.8度という気温は、今からちょうど90年前の1924年(大正13年)に帯広で観測して以来の90年ぶりの最高気温であったわけだが、驚くのはなんと言っても北海道内の最高気温となったこの日が、まだ5月を過ぎたばかりの6月の3日だと言うことである。
90年前の帯広の37.8度は7月12日、今回はそれよりは何と40日、一月半近くも早いのだ。さらに日本一を記録した昨年の四万十市の41度は8月12日だから、2ヶ月も早い時期である。この日は熱中症で搬送される人が多発しただけでなく、火災報知器の誤作動が相次いで消防車が緊急出動したり、JR北海道の鉄道レールが50度を超して点検のため運行を見合わせたり、17ヶ所の保健所が食中毒警報を発令したのだから、まさに異例中の異例の珍事であったわけである。
HPや講演会を通じて世界の異常気象をお伝えしている私であるが、今年に入って4ヶ月足らずで2度、観測史上最高となる気象を体験するところとなった。最初は2月に郷里に降った1.5メートルを越す記録的な大雪、そして今回の北海道での高温である。
どうやら今年に入ってからの高温や低温、大雪、大雨が尋常でないことや、これから先、想像を越す異常気象に襲われることを、天が私を通じて多くの人々に知らしめようとしているかのように感じられてならない。私の体験を読者もしっかり受け止めておいて頂きたいものである。
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