読者もご承知の通り、1週間ほど前からコロナの新たな変異株「オミクロン」が発生し、世界各国に懸念が広がっている。気になるのは、従来のワクチンの効果が疑問視されている点である。もしそうだとすると、これから先、新型株が発生するたびにワクチンを次々と打ち続けねばならなくなってくる。
発生源は「デルタ株」の発生国でもあるアフリカ南部の「南アフリカ共和国」で、この変異株の特徴は「スパイクたんぱく質」と呼ばれる菌の突起部分の数が多く、感染率が高いとされている点である。
感染が確認された国は南アフリカの国々を中心にイギリス、ドイツ、スペイン、イタリア、イスラエル等ヨーロッパ各国や、香港、カナダなど既に16カ国に及んでおり、我が国やオーストラリア、イスラエルなどが新たに新規旅行者の入国禁止措置を発令する事態となっている。
ドイツでは「オミクロン」の感染を恐れ、ワクチンの追加接種を希望する人々が押し寄せ、診療所の前には連日長蛇の列ができている。また、デルタ株の蔓延で旅行者の減少が続いていたフランスでは、ようやく経済の活性化が始まると喜んでいた矢先だけに、観光産業や飲食業界では大きなショックが広がっているようである。
心配されるのは季節が冬に入り風邪の蔓延が広がる時期だけに、世界の各国政府が感染率が高いとされるオミクロン株の発生を防ぐために、新たに厳しい出入国の制限令を長期間にわたり発動することである。
もしそうした動きが世界的に始まった時には年末、年始の旅行客は激減し、停滞気味の経済は更に落ち込むことになる可能性が高く、株式市場における記録的な下落が始まることにならないか心配である。
こうした状況下、我々にとって大事なことは、コロナに対する暗いニュースに一喜一憂することなく、日々の生活の中で「笑顔」を失わないことである。いま人口が1億2000万人の日本における1日の感染者はわずか数十人程度。また死者数はゼロの日が続きあっても数人程度であることを頭に入れて、マスコミが伝える日々の暗いニュースや感染者数などを見て、必要以上に恐れないことである。
下の表を見て頂ければ、いかに我が国の感染者数や死者数が少ないかがお分かりになるはずだ。人口が日本の10分の1以下のイスラエルよりも少ないのだ。