今月3日、山梨県で午前6時37分にM4・8の地震が富士山のふもとの富士五湖周辺で発生した。私のところにも心配された読者の方から電話を頂いたが、富士山麓と八ヶ岳山麓とは80キロ程離れているので、我が家周辺では震度はM3で、たいした揺れは感じなかった。
私が気になったのはそれから3時間ほどした9時28分に和歌山県の紀伊水道で富士五湖より少し強いM5.4の地震が発生したことと、さらにそれから2時間ほどしたあと鹿児島県の南の沖合・トカラ列島の悪石島でM4.8の地震が発生したことであった。
日本列島内でわずか5時間内のうちにM5前後の地震が、山梨、和歌山、鹿児島と3カ所で続けて発生するのは極めて珍しいことである。
しかも、そこは南海トラフに沿った場所であった。その後、悪石島の地震は100回以上にわたって発生し続けており、鹿児島にお住まいの人々は不安を感じておられるのではなかろうか。
たまたま、数日前に連続テレビドラマ「日本沈没」を見ていたこともあって、ドラマが現実になる時が近づいてのではなかろうかと、思わずにはいられなかった。そんな折、4日にはインドネシアのジャワ島で富士山とほぼ同じ高さの標高3600mのスメル山が噴火し、3000棟の住宅が火砕流に巻き込まれて14人が死亡、30人ほどが行方不明となっている。
ジャワ島の噴火が日本列島各地で地震が発生している最中であったことを考えると、南海トラフに沿った広い範囲で地殻に変動が始まり出しているのではないかと、思えてならなかった。富士山の噴火、東京直下地震の発生は決して絵空事(えそらごらごと)ではないだけに、備えだけはしっかりとしておきたいものである。