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かねてから懸念されている中国の大気汚染問題。中国政府は対策を打っているとしているが、汚染状況は改善するどころか、ますますその度合いを増してきている。とうとう昨日の香港では、大気汚染物質PM2.5の観測値が公表されて以来観測史上最悪のレベルに達した。
香港の気象当局は初めて最悪レベルのランクEに達したとして厳重汚染の警告を出した。気象当局の発表したPM2の濃度が260マイクログラム/立方メートルだというから、米国大使館が設定している観測機の測定数値では恐らく300マイクログラムを超してきているに違いない。
70マイクログラム/立方メートルを超すと危険域に入ると言われているだけに、これは信じがたい数字で、人間が肺に吸い込んでよいレベルを遙かに超している。ましてや幼い子供や赤子、老齢者にとっては恐ろしいほどの汚染度合いである。気の毒だが、大気の状況が好転する気配が無いようなので、これから先少なくとも数日は、市民は否応なしに汚染大気を吸い続けなければならないようである。
そんな状況下、家電専門店では空気清浄機が飛ぶ様に売れており、暖房機を上回る勢いだという。清浄機を購入できる家庭はまだよいが、一家庭に最低2〜3機は必要なだけに、1万5000円の代金を払えない低所得者層では戸を閉めるのが精一杯である。これから先、そうした家庭の子供たちの肺や呼吸器系統の発病は凄い勢いで広がってくることは間違いない。
一方、隣国韓国でも首都ソウルとその周辺の都市で、中国から流れ込んでくる汚染物質の影響でひどいスモッグに覆われており、政府は市民に外出や屋外での活動を控えるよう呼びかける事態となっている。中国の大気汚染は人間の肺の奥まで浸透する細かい汚染物質や重金属が大量に含まれているだけに、その影響は大きく、呼吸器疾患の被害が広がって来るに違いない。
日本を敵視し、中国との友好を推し進めようとしている朴槿恵(パククネ)政権。先の訪中では中国語で挨拶するなど親中国姿勢をアッピールしていたが、ここに来て、中国の防空識別圏の設定で、自国領土と主張してきた島が圏内に入っていたことから、国民の間から強い反発が出てきており、対中国戦略にヒビが入り始めている。
これから先、中国からの大気汚染の影響はますますひどくなることは避けられないだけに、韓国人の対中国不信感は強まってくるはずである。60年も昔の慰安婦問題をいつまでも蒸し返し、中国と一体となって竹島や尖閣諸島の領有権を主張し続けるのも決行だが、後悔先に立たずとならないよう願いたいものである。
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