世界各地を襲う豪雨と熱波
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萩市の洪水被害
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いよいよ日本でも、ウォーター・クロックの始まりを示す兆候が本格化し始めたようだ。山形県を中心に東北地方で発生していたゲリラ豪雨による土砂崩れ、洪水、床上浸水などの被害は、山口県、島根県へと飛び火し、さらには富山県や新潟県でも被害が広がっている。
現地の方からの情報では、突然空が黒雲に覆われ出したかと思うとあっと言う間に、滝のような雨が降り出して辺り一帯の風景が水のカーテンに覆われて見えなくなり、気がついてみると、床上浸水が始まっていたという。まさにゲリラ豪雨の名の通りで、事前の準備も取り片付けも出来ないまま、命がけで避難するのが精一杯であったようだ。
気象庁が発表する「1時間の雨量」や「降り始めてからの総雨量」は全てかって経験したことのないものや、50年に1度という記録的な数値ばかりである。山口県萩市の140ミリを超した1時間の雨量は前代未聞、まさに「雨が降る」のではなく「滝水が落ちてくる」としか表現できない
降り方である。
これまでは、夏には夏の高気圧の張り出すエリアや、偏西風の通過コースというものがあった。しかし、今やそうした経験則はまったく通用しない状況になっている。従ってこれから先、日本各地どこがこうしたゲリラ豪雨や集中豪雨に襲われるかは、想定が出来ない。もはや日本列島の全てのエリアが危険エリアに入ったと考えておくべきである。
同じ事が地球規模でも言える。現に私がこれまでにHPでお伝えしている世界各地の異常気象を見て頂いただけでも、今回の山形県や山口県、島根県の被害より遙かに大規模な集中豪雨による被害が世界各地で発生していることが分かるはずだ。
北米大陸では米国、カナダ、南米ではブラジル、ペルー、チリ、ヨーロッパ大陸とその周辺ではイギリス、フランス、ドイツ、チェコ、スペイン、アジア大陸北部では北朝鮮、中国、韓国、南アジアではタイ、カンボジア、ベトナム、インド、それにオーストラリア、ニュージーランド ・・・・・・ 世界地図を眺めると被害地域は全大陸を覆っている。
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ヨーロッパ各地もこうしたこうした洪水に襲われている
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一方日本で、関東地方が猛暑と日照り続きで貯水湖の水位が低下し、取水制限が発動されているように、世界各地が記録的な猛暑に襲われ熱中症で倒れる被害が多発している。米国の50度を超す信じ難い熱波には驚かされたが、ヨーロッパも40度近い猛暑に襲われているようである。
先日、フランスから帰国された主婦の方は、帰国直前まで冷夏で長袖のシャツが必要であったのに、日本に帰ってしばらくすると天候が一変して猛暑となり、フランスに残った主人が暑さで悲鳴を上げていると伝えてきた。
ドイツに住んでおられる方からも、40度近い記録的な猛暑とスイスとの国境近くで降ったゴルフボール大の巨大雹による被害の発生の知らせが届いている。隣国中国でも、同じようなニュースが流れたことがあったが、最近の猛暑も凄いようだ。香港では7月に入ってから、なんと27日間35度を超す猛暑日が続いており、ここ数日は40度を超す状況となっている。
世界各地で続くこうした天候異変で心配なのは、作物の生育である。今のところ作物不作のニュースは流れて来ていないが、これから収穫期を迎える北半球では、不作、凶作のニュースが伝えられることになるのではないかと心配である。
ウォータークロック、それは単に水による災害の発生だけでなく、猛暑や干ばつによる作物被害の発生をももたらすことをお忘れなく。 備えあれば憂いなしである。
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南ドイツのラインフェルデン地方で降ったゴルフボール大の雹
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