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40日間を超したロシア極東の大雨

 

 
 


アムール川流域の被災者まだ避難せずにいる

 


先の台風18号による大雨で京都市の桂川の一部が氾濫し、観光名所の嵐山一帯が浸水した映像は改めて最近の雨量の凄さを見せつけるところとなったが、外国で発生している洪水はどうやらその比ではなさそうである。

既に何度かお伝えしているロシア極東アムール州の豪雨は、既に40日間以上降り続いており、ハバロフスク地方およびユダヤ自治区を中心に広大なエリアが増水しており、1ヶ月前に、7メートル程であった水位は一部の地域では、9メートルに達しようとしている。

軍隊からたくさんの兵士や軍用機が投入されているが、数日前にはさらに2機の航空機が増強され、被災地に止まっている住民の救援活動に参加している。ロシアのメディア では、もはや「浸水」というより「水没」したと表現する方が適切と思われる家々の写真が、毎日のように報道されている。

こうした「世紀末的な洪水」の様子を見ると、「40日間と40夜」続いたとされる創世記の地球的規模の大洪水が思い出される。

 

 
 


大量投入された軍人による被害の拡大防止策も、あまり効果を上げていないようだ

 

 

長雨がもたらしたコロラド州の被害

 

 
 


最も被害の大きいボルダ―郡などでは、土砂崩れや
地すべりのため随所で道路が寸断されている (ABCテレビより)

 


季節外れの豪雨が何日間も降り続いているという点では、米国西部コロラド州のボールダーやデンバー、コロラドスプリングズなどの洪水状況も似ている。17日には久し振りに晴れ間が見え、航空機による救援活動が再開されているようだが、私が知る限りでは、大雨が降り始めたのは確か今月初めだったように記憶しているので、1週間から10日近く降り続いたのではないかと思われる。

そのため、確認されている8人の死者の他に250人近い人々が未だに連絡が取れない状況にあるようだが、これから水が退くにつれ被害の大きさと死者の数が増加してくることになりそうである。いずれにしろ、州知事が「州の歴史上、最大の嵐だ」と語り、オバマ大統領も非常事態を宣言したコロラド州の災害は、しばらくはアメリカ人の心に残る災害となりそうだ。

 

メキシコを襲った二つの同時気象災害

 

 

 
 


メキシコ・アカプルコの洪水被害
 

 
 

 
 


決壊寸前のダム (F2テレビより)
 

 


一方、コロラド州から南に下ったメキシコでは、15日から16日にかけ、メキシコ湾で発生したハリケーン「イングリッド」と太平洋からやって来た熱帯暴風雨「マヌエル」によるダブルパンチで挟み撃ちとなり、国全体が大洪水に見舞われており、24万人が被災し、50人近い死者が出ている。

同時に発生した二つのハリケーンと台風による挟み撃ちという極めて珍しい現象であるが、両者とも強風より大量の雨が被害を大きくしたようである。場所によっては2日間で700ミリ近くに達していたというから、その凄さの程が分かろうというものである 。

有名な観光名所で私も何度か訪ねたことのある西海岸のアカプルコでは、4万人の観光客が足止めとなっており、町中が混乱状態となっている。街のあちこちでは商店から略奪する行為が発生し、軍が出動して治安に努めているものの、手が付けられない状況が続いており、自然災難と人の手による略奪行為が重なった最悪の情景が展開しているようである。
 

ルーマニアでは6時間で2ヶ月分の雨
 

 

 
 


ルーマニアのガラツの洪水

 


一方、ヨーロッパのルーマニアでも集中豪雨による甚大な被害が発生している。
被災場所はルーマニアの首都ブカレストから 200キロほど離れた場所にあるモルドバとの国境に近い人里離れた地域で、11日の夕方から降り始めた雨は、たった6時間の間にこの地での2ヶ月分の降水量に匹敵する量であったというから、まさに記録的な雨量であったことは確かである。

 

砂漠の国・ニジェールの洪水
 

 

 
 


ニジェールの洪水

 

アフリカ大陸も例外ではないようだ。今月初めに発生した西アフリカのニジェール共和国の洪水も大変な被害をもたらしている。8月以来、ニジェール西部の8つの地域が激しい雨に見舞われ続けており、9月に入っての大雨が拍車を掛け、ニジェール川が氾濫し、首都ニアメでも洪水被害が拡大している。

西アフリカの内陸国に位置するニジェールは、北部に広がるサハラ砂漠が国土の 65%を占めている。それだけに、ニジェールは世界で最も暑い地域の一つで干ばつの起こりやすく、これまでにも、たびたび食糧危機に陥っている。その国で滅多に雨の降ることのないこの時期に、豪雨による洪水の発生というのだから、世界の気候が完全に狂気化していることは確かである。

これまでに7万6000人が被災し、26人が死亡。13、000ヘクタールにわたる農地の作物が破壊され、被害額は64億円に達しているようであるが、問題はロシアや米国、メキシ コなどと違い、政府に被災者を支援する力がないことである。

さらに心配なのは、こうした洪水は農作物へのダメージが大きく 、食糧危機に直結していることである。また、国連が警告しているように、洪水で浸水した土地はイナゴの幼虫の孵化に適した条件を作り出す可能性が 大きいため、ニジェールが今後、「イナゴによる大規模な侵略」に直面し、さらなる農作物被害が出る可能性があることも心配の種である。

 

徳乃蔵のHP上で、誤って21日(土)が休日になっていましたが、開館しておりますので最終日前の3連休、お時間の取れる方はお出かけ下さい。お待ち しております。
 カフェルームには先日開催した切り絵展で、和宙君が来客者の目の前で切り取った3枚の切り絵が展示してありますので、見逃された方はその精緻な作品の素晴らしさを、ご自身の目で確かめてみて下さい。
 
 
     


  

 

 

 

 


 

 

 

 

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