セサル・ラ・トーレ演奏会


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雲一つない秋晴れの空に浮かんだ、爽やかな富士山
こんな綺麗な姿を見るのは何ヶ月ぶりのことであった。

 

 

今日は朝から台風一過の日本晴れ、文字通り雲一つないさわやかな秋空が広がっている。こんな見事な青空を目にするのは6月中旬以来初めてである。そして、部屋の窓からは、すそ野から頂上まできれいに浮かび上がった霊峰富士や甲斐駒ヶ岳、八ヶ岳の姿が見える。富士の勇姿がこれだけ全面的にくっきり見えるのは、世界遺産登録以来初めてのことである。

今回の台風18号の日本列島縦断は、各地に多くの被害がもたらすこととなり、被害を受けられた皆さんには大変お気の毒であるが、龍神様から知らされたところでは、今回の台風には大雨による浄化の他にもう一点、大変重要な意味が秘められていたようである。台風が通過した道筋を追ってみるとその秘密が分かるような気がする。いずれにしろ、水と火による清めの一つであったことは間違いない。

15日と16日、セサル・ラ・トーレ氏の演奏会が台風直撃のまっただ中で行われることとなった。

参加申込者は地元より遠方の方が多いだけに、ご来客の皆さんの足が止まるのではないかと心配されたが、15日の昼と夜の演奏会は満席。 昨日の昼の講演会は台風の直撃の真っ最中で、新宿からの中央本線や名古屋からの中央西線がストップとなったため、さすがに参加できない方が数人出たものの、近場の当日参加者がその方々に代わって来場され、大変に盛り上がった演奏会となったのには驚かされた。

札幌からの参加者はぎりぎり開演時間に間に合ったが、福岡からの方は伊丹空港経由で来場を予定されていたため、東海道新幹線や中央西線の不通により残念ながら参加が叶わなかった。岐阜から参加を希望しておられた方は、大変なご苦労をされながら塩尻駅まで来られたものの、とうとう時間に間に合わなかった。

その方には、本日改めてご来場頂き絵の展示だけをご覧頂くことになったが、なんとしてもセサル氏の演奏をお聴きになりたいという強い意志には、ただただ頭が下がる思いであった。今日は休日だが店を開けてゆっくりとご覧頂く予定である。

世界広しといえども蔵座敷の中で演奏されるアンデス音楽は初めてではなかろうか。蔵造りの会場での演奏会、単に音響効果が素晴らしいと言うだけでなく、300年という長い歳月のエネルギーが漂う中での演奏会であっただけに、セサル氏の演奏は参加された皆さんの心を揺さぶるところとなったようである。

実は今回の演奏会には、特別の意味が秘められていたようである。どうやら、参加された方々だけでなく、天の神々もご一緒に演奏をお聴きになられたようであるからだ。

セサル・ラ・ト−レ氏が演奏するアンデス音楽のメドレーと歌詞の中には、スペイン人に征服された人々の大変な苦難と悲しみの歴史が凝縮されており、南米に住む先住民やインカ人たちの長年の怨念の思いが秘められている。

徳乃蔵の床の間には、京都の絵師・加悦徹画伯が描かれた力作の龍の絵が掲げられている。実は、この絵に描かれた龍神様は徳乃蔵の守り神として、我が家に来られることになったようであるが、この龍神様の下に多くの神々様が集まられてセサル氏の音楽を聴かれることになったようである。

彼のの歌うインカ人たちの「思いの丈」(たけ)が、天界の神々様にお聞き頂けて、改めて先住民やインカの人々が長い間体験して来られた苦しみや悲しみの深さを感じ取って頂けたとしたら、セサル氏も長年の音楽活動の労苦が報いられたこととなり、なんとも嬉しいことである。

それにしても、なんとも不思議なご縁続きの演奏会であったが、参加された皆さんが深く感動された背景には、そんな背景が秘められていたようである。特に最終回の昨日の演奏会は、演奏を聴きながら無性に涙があふれて止まらなかったが、その後、なんとも言えない爽快な気持ちに包まれるところとなった。

演奏会後の東の空に浮かんだ3ヶ月ぶりに見る夕焼け空に包まれた壮麗な富士の姿が、私やスタッフ、また参加された人たちが感じた爽やかな気持ちを象徴しているようであった。

 

 

 
 


セサル・ラトーレ氏の演奏風景
 

 
 

 
 


昨日講演会終了後に、夕焼け空に浮かぶ霊峰・富士。 
夏山がこれだけくっきりと浮かび上がったのは6月以降初めてである。

 

 

 

 

 

 

 

 

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