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前回「国家の素が出始めた」で、米国と中国の目をそらしたくなるような素顔が
露呈し始めたことを記したが、国民として恥じ入るようなことは、我が国でも同様に始まり出している。それは放射能漏れをひた隠してのオリンピック誘致と、汚染水や除染処理の見通しが一向につかない中での、
外国への原発輸出である。
「東電任せにせず、国が前面に立って責任を果たす」。 先般、安倍晋三首相は15日の所信表明演説で、東京電力福島第1原発の汚染水漏れについてこう表明した。しかし、国が「前面に立って」進めているのは、汚染水対策ではなく、オリンピック誘致と世界中への原発売り込みであったようだ。
世界で唯一の被爆国であると同時に、福島原発のメルトダウンによる悲惨さを実体験し、原子力エネルギーの恐ろしさをどこの国より知っているはずの日本、その国の総理大臣が自ら先頭に立って
危険極まりない原子力発電の売り込みにひた走る姿を見ていると、国民として恥ずかしくもあり情けなくなってくる。
これでは、国家元首が自ら先頭に立って経済発展を隠れ蓑に、核爆弾の代わりに放射能汚染装置という名の爆弾投下を推し進めているようなものである。これでは、我が国の脱原発や再稼働停止を彼に託することなど、とうてい無理というものである。
東芝などの原発開発企業の倫理観の欠如はさておいて、放射能汚染水や除染といった人知を超える問題が山積していることを毎日のように目にし、耳にしているはずの国家のトップが、いくら経済成長を図る目的があるとは言え、海外に出向いて
極めて危険な原発をトップセールスしている姿を目にすると、その人間性を疑いたくなってくる。
「自分の国の事故を収束出来てもいないのに、よく海外に原発を売れるものだ」と語って、原発受注を喜ぶ阿部首相に怒りをあらわにしていた、仮設住宅の自治会長を務める斉藤宗一氏の発言が胸を打つ。トルコだけでなくベトナムやインド、サウジアラビア各国を飛び回って原発受注に力を注いでいる
エネルギーを、除染や汚染処理、廃炉などに是非とも注いで欲しいものである。
郵貯を米国に打った売国者小泉元総理が良心の呵責に攻められてか、最近息子と共に原発反対を口にするようになってきた。どうせやるなら命がけで行動して欲しいものだ。売国のカルマを帳消しにするには、それしか手がないのだから。