怒る龍神様(2)


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赤く染まった上弦の月は何を伝えているのか?

 

 

 
 


8月14日に雲間から姿を見せた、不気味な赤色に染まった上弦の月

 


富士山が世界遺産に登録されたのが6月23日、それ以降、2ヶ月近くになろうとしているが、その間、富士山一帯におかしな現象が起き続けている。それは霊峰富士がその美しい姿を見せなくなって しまったことである。

八ヶ岳山麓に住む私の自宅の窓から眺める富士の美しい姿は、八ヶ岳、甲斐駒ヶ岳と共に私の心の癒やし となって来ている。ところが、6月の23日以降、富士山がその姿を見せたのはほんの数日、それも1日のうち1〜2時間程度の日がほとんどで、終日ある いは半日以上見ることが出来たのはほとんど無かったように記憶している。

6月は梅雨空のため雲に隠れて見えない日が多いのは例年のことである。それに、夏場は冬場に比べて気温が高いため、もやってしまってくっきりとは見えにくい 日の多いことも確かである。それでも、週に最低2〜3日は姿を見ることが出来るのが通例である。

ところが今年、6月後半以降は1週間に1度も姿を見せない日が多く、特に7月中旬以降のこの1ヶ月間は、ほんのわずかの時間、頂上部やすそ野の一部が見えた日以外まったくと言っていいほどその姿を見せない日が続いている。 どう考えても異常である。今朝もその姿は完全に隠されてしまったままである。

徳乃蔵で兼古和宙君の切り絵展が始まったのが7月14日、それからちょうど1ヶ月が経過したが、その間に来館された人の中で、駐車場から富士の姿をご覧になられた方はほんのわずかであったはずだ。私がはっきり記憶しているのは、8月3日の早朝7時半前後に30分間ほど見えた時だけである。 以後2週間、まったく姿を見せていない。

「怒る龍神様」の記事を掲載したのが8月6日、サーバーに記事を送信したのが 朝の9時25分頃だったと記憶している。それからおよそ20分ほどして、富士の噴火を押さえておられる龍神様とコンタクトが続いている大阪の知人から電話が来た。それは「怒る龍神様」の記事を読まれた龍神様が「大変良い記事を書かれた。著者に「ご苦労であったと伝えてくれ!」」と告げられた 、というものであった。

知人は、その時私のHP記事をまだ見ていなかったので、急いで読んで、「あ〜この記事のことだったのか」と納得され、私に電話してきたという次第である。HPに記載してわずか20分後のことであったので、聞かされた私は驚かされてしまった。

富士の噴火を押さえるために大変多忙な中、わざわざそのような伝言を伝えに来られたことを裏返せば、聖なる富士山を単なる観光地として訪ねては、ゴミをまき散らし、排尿、排便を所構わずして帰る登山客の傍若無人の行動 に大変に怒っていること意味していることになる。

 

 

 
 


大量の湧水を水源とする日本でも稀有な川である柿田川の清流(深澤氏撮影)

 

 
 

 
 


今の富士山より3代前の先小御岳(深澤氏の作成図)

東大地震研究所が2004年にボーリング調査によってその存在を
認め「先小御岳」と名付けた太古の富士を、湧き水の元を探っていた
深澤氏はすでに1956年に確認し「神岳」と名付けていた。
「先小御岳」(神岳)(数十万年前)→「小御岳」(20万年前)
→「古富士」(10万年前)→「新富士」(1万年前)

 


龍神様の飲み水

不思議なことに、大阪の知人から電話を頂いた8月6日の午後、再び、三島市に住む深澤様という一人の男性 の方から、龍神様の怒りの声が届けられることとなった。お話をお聞きすると、どうやらその方は柿田川の源流となっている湧水一帯の土地を所有して おられる方で、その地を守護しておられる龍神様と長い間コンタクトをとり続けてきているようであった。

噴出し続けている水は、数十万年前の更新世の時代の富士の山であった先小御岳(さきこみたけ)の地下断層から湧き出ているようで、龍神様の伝えるところでは、この湧き水は富士が聖なる山として誕生した太古の時代から「龍神様たちの飲み水」とされてきたものである 、とのことであった。

富士山の年間降雨(雪)量はおよそ20億トンと推測されている。そのうちの5億トンが静岡県の東側地区に降る雨量。柿田川水源の湧水量は約3億6000万トンと言われているので、その降雨量のおよそ70%がいったん地下にしみこんだ後、湧き出て柿田川に注がれていることになる。それを水道水として利用している三島市や沼津市、清水町、長泉町など静岡県東部の住民にとっては、この水は「命の綱」 でもある。  

しかし、龍神様が深澤氏に伝えてきているところでは、昨今の登山客の節度をわきまえない振る舞いによって、その神聖なる神々の飲み水までが汚染されようとしているとのことであった。 富士を単なる観光地として訪れる人々がその数を増してゴミをまき散らし、排尿、排便さえ所構わずしている登山客の振る舞いについては、前回「怒る龍神様」 に記した通りである。

もしもこのまま事態が改善されず、神聖な湧水までが汚されるような事態になった時には、龍神様の怒りは限界を超えることになるかもしれない。それゆえ、そうした事態にならないようにと、 深澤様を通じて事態の深刻さを伝え、人間どもの行動を戒めさせようとしておられるのではないだろうか。関係者の皆さんには猛省を促したい。

富士山麓の静岡県側(富士宮市)にある村山浅間神社や山宮浅間神社は富士山を守る龍神様のねぐらであり、休みの場であった。しかしここにも、世界遺産登録以降、観光バスが乗り付け多くの人が押し寄せることとなった。当然ながら龍神様たちにとって迷惑千万な話である。

しかし、富士山が雲に隠されその姿を見せなくなってしまったために、このところ観光客が来なくなりめっきりその数が減ってきているようである。龍神様が富士山の姿を見せなくしているのは、人間に危害を与えることなく、その行動を戒めようとしている ためである。しかし、人間がいつまでもそれに気づかなかったら後の祭りだ。

そんな折しも盆入りした8月14日の夜、時間は9時50分前後であっただろうか、2階の書斎からふと西の空を見ると、「上弦の月 」が雲の合間から顔をのぞかせていた。驚いたのはその月が異常に赤みがかっていたことであった(上段の写真)。

これまで色々な月の姿は見てきているが、こんなに赤みがかった月は私の記憶の中に残っていない。そのせいか、目にとまった瞬間、なんとも言えない不吉な予感が感じられ、あまりその種のことに敏感でない私も、大きな天変地異か異常気象の発生の前触れではないかと、強い不安感に襲われた。

こうした赤みがかった月は、雲や霞と重なった時にはよく見える現象で、特に心配する必要がな ければ幸いであるが、連日、雲に覆われ一向にその姿を見せようとしない富士山や、先のマグニチュード7.8の地震の誤報と共に、なにやら気になるところである。

 


 

 

 

 

 

 

 

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