カルマの刈り取りに向かう地球


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外交問題へ発展

 


 
 


米国による、電話やメールなどの盗聴行為に対して強い不快感を
示し、情報収集を即刻停止することを求めるフランスのオランド大統領。

 


元米中央情報局(CIA)職員のエドワード・スノーデン氏は現在ロシアに滞在中で その行方に世界が注目しているが、彼が暴露した米国家安全保障局(NSA)の極秘文書から、 NSAが日本を含む多数の外国の大使館などを盗聴対象にしていたとする、新たな情報が明らかとなり外交問題に発展しようとしている。

それは6月30日、英国のガーディアン紙が報じた記事によるもので、2010年9月に作成された とされる情報文書によると、38の国々の外国大使館およびその代表部が「ターゲット」としてリストアップされており、盗聴手段は、通信機器に盗聴器を仕掛ける方法から 、特殊なアンテナで通信を傍受する方法まで多岐にわたっているようである。

盗聴対象には、ワシントンやニューヨークにある欧州連合(EU)代表部のほか、一部の中東諸国、 ドイツ、フランス、イタリア、ギリシャをはじめ、同盟国である日本、メキシコ、韓国、インド、トルコなどの大使館が含まれている。

これに対して、ドイツやフランスなど欧州諸国はさっそく反応し、政府の要人から米国に対して、強い非難の声が発せられている。7月1日には、フランスのオランド大統領自らが「このような行為は友好国や同盟国の間では受け入れることが出来ない」と 厳しく批判し、情報収集を即刻停止することを求めている。

また、ドイツの法務大臣も「報道が真実なら、冷戦時代に敵対国が使っていた方法を思い起こさせる もので、米国の友が欧州人を敵として見ているとは理解に苦しむ」と述べて いる。さらに、他のヨーロッパ諸国やEU(欧州連合)からも強い不信と懸念の声が上がって おり、欧州議会のシュルツ議長は「もし真実ならば、EUと米国の関係に打撃となる極めて深刻な事態である」と述べている。

米国がロシアや中国だけでなく、同盟国や友好国からも情報収集を行って来ていることは、いわば公然の秘密で別段驚くほどのことではない。外交だけでなく、経済や産業分野においても、大規模なスパイ活動による情報収集は 、パートナーとの交渉に際して有利に働くわけであるから当然のことである。

現に、アフリカ訪問中のオバマ大統領も記者会見で、「各国も同様な諜報活動を行っている事だから、大騒ぎすることでは ないではないか」という趣旨の発言をしている。しかし、エドワード・スノーデン氏やウィキリークスなどを通して改めてその実体が明らかにされたとなると、対象国となった各国首脳は黙っているわけにはいかなくなってくる。我が国のようなお人好しの国は別にして。
 

「心の素」がもたらす社会の混乱

 


 
 


ムルシ政権に退陣を迫る大群衆。エジプトは国家破綻に向かって いるかのようだ。

 


問題は、外交問題にも発展しかねない国家レベルの秘密情報が、ウィキリークスやスノーデン氏を通じて広く世界に知られるようになった背景である。そこには、先の記事「米・国家安全局員の内部告発」でも述べたように、人間の持つ「素の心」が表面化 しているという状況の変化が秘められているのだ。

つまり、今回の情報漏れには、単に秘密情報機関の 内情が露見したという表面的な面だけでなく、多くの人々に「心の変容 」現象が起きていることを示している側面もあるのだ。こうした「素の心」の表面化は、長い間隠され続けてきた政治や経済の裏面を露出させる 一方、人の持つ自我を表に出すこと、つまり自己主張やエゴを発露させる面も持っているのである。

実は、トルコやブラジル、エジプトなどの大規模なデモや暴動発生の背景には、そうした面が 隠されているのだ。「素の心」が表に出ることによって、長い間、権力や権威の従僕となって来ていた人々が彼らの意のままになることを拒絶し、おのれの考えや意見を主張する方向に動き出してきているのである。

どちらの面も、真実を隠し、ごまかしの政治によって国民をだまし続けてきた「闇の勢力」や権力者にとっては極めて不都合なことである。これから先、こうした傾向はさらに強まり、隠され続けた政治や経済の裏の面が表に出され、いかに醜い駆け引きや商取引が行われてきたかが、次々と明らかにされてくる。そして、それは 恐ろしいことだが、「社会の混乱」に火に油を注ぐことにもなるのである。

熱波に襲われている米国やロシア、止まることのない洪水に見舞われ続けている欧州 やインド、中国。連日連夜トップニュースで報道され始めているこうした地球規模の自然災害を 目にしている読者は、「経済面での混乱」が間もなく世界を襲うことも承知しているはずだ。そうした 「自然災害」や「経済の混乱状況」に追い打ちをかけることになるのが、「社会の混乱」である。

それは一歩間違えば、一国の崩壊へとつながりかねない火種ともなる。もはや解決策を見失った感の強いシリア内戦、アラブの春で誕生した新政権が1年足らずで崩壊へと向かおうとしているエジプト、デモとは縁のない国と思っていたトルコやブラジル における突然の大規模デモの発生 ・・・・ それらはその一例である。

これから先、社会の混乱はますます激しさを増し、いよいよ世界は新星「アルス」誕生を前にし て、「自然災害」「経済破綻」「社会の混乱」の3面から、カルマの刈り取りに 取りかかることことになりそうである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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