中国では、寒気の到来と共に北部だけでなく次第に南部にも光化学スモックが広がり始めて来ている。そのため、河南省や湖北省、上海など幅広いエリアで大気汚染の度合いが増して視界が悪くなり、汚染度を示す数値も重度の汚染状態を示す250を越してきている。
汚染の度合いは年々増す一方で、被害地域もしだいに南や西に広がり始めている。その結果、呼吸器系、心臓疾患の悪化といった様々な健康被害が全国的に広がり、死亡率の上昇をもたらしている。
先頃、中国東部の江蘇省で8歳の女児が肺がんと診断されたことが報道されたが、最年少患者の肺ガン患者となった少女のジエ・フェンドンさんは、気の毒なことに、ほこりや有害物質を含んだ汚染大気に長期間接し、微小粒子状物質PM2・5を大量に吸い込んでいたようである。
世界保健機関(WHO)は10月、大気汚染ががんの原因になるとする研究結を発表している。今回の8歳の女児の診察結果はそれを裏付けるところとなったわけだが、中国ではここ数年、30〜50代の肺がん患者数がもっとも高い伸び率を示していおり、江蘇省の省都・南京市にある病院では、呼吸器外科の120病床のうち、なんと50病床が肺がん患者で、多くの患者は30、40代の非喫煙者だという。
肺がんは普通50歳から80歳の患者に発症するもので、20歳から45歳の患者は比較的稀で、子供に至っては極めて珍しいことを考えると、近年の中国における大気汚染度が、いかにひどい状況になってきているかが分かろうというものである。
肺がんの死亡率はがんの中でも最も高く、全体の25%を占めているだけに、北京や南京、香港など重度の汚染エリアに住む住民にとっては脅威である。中国の政府系シンクタンク・中国社会科学院は11月4日、大気汚染が呼吸器や心臓の疾患だけでなく、生殖機能にも悪影響を及ぼす可能性があることを指摘、市民の中にさらに脅威が広がりそうである。
今中国政府は空母や新型戦闘機の開発に血眼になっているが、十兆円を超す軍事費用を大幅に削減し、急いで大気汚染対策に充てねば大変な事態を招くことになってくる。共産党幹部や賄賂で私腹を肥やした富裕層はいざとなれば海外に逃げればよいが、貧乏人は逃げ場がない。
それは国内問題に留まらず、お隣の韓国や日本海を越えた我が国にも重大な影響を及ぼすことだけに、急ぎ対策を講じて欲しいものである。それが為されなければ、中国はまた新たに大きなカルマを積むことになる。それにしても、金貨と勲章の重みに併せて、これ以上カルマを積んだら歩けなくなる人達が出てきそうである。
福岡市や北九州市にお住まいの方は、冬場の外出時にはくれぐれもご用心を!!
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