先週から、全米各地が大型で記録的な寒波と暴風雪に見舞われており、ミズーリ州セントルイスやコロラド州デンバーの気温は、アラスカのアンカレジよりも低くなっている。ワイオミング州ダニエルでは9日に気温がマイナス34度まで下がり、本土での最低気温を記録し
ている。
降雪と寒波の被害は西部から東部へとほぼ全国的規模で広がり、死傷者の数も増えている。テキサス州やオクラホマ州などでは、高速道路などでスリップ事故が相次ぎ、これまでに10人の死者と多くの負傷者が出ており、サンフランシスコ
では、ホームレス4人が凍死、ネバダ州では、山に雪遊びに入った子ども4人と大人2人の行方が分からなくなり、今もなお捜索が続いている。
(追記:その後無事救出されたようである)
またインフラの面でも被害が広がっており、猛吹雪で電線が切れるなどして10州を超す州の住宅や事業所の70万戸以上が停電とな
っている。航空便追跡サービスサイトの情報によると、航空便も連日欠航便や遅延便が相次ぎ、
ニュージャージー州ニューアーク、ニューヨーク、シカゴ、ボストンの各空港発着便を中心に、既に5000便以上の欠航が出ている。
日本のマスコミはこうした海外の災害のニュースをほとんど伝えずにいるが、先月から12月にかけて、欧州や米国で発生している記録的な寒波や大型で強力な暴風雪は、地球的規模の異常気象が次第にその度合いを増してきていること示している。さして異常を感ぜずにいる我々日本人も、世界各地で発生しているこうした異変をしっかり頭に入れておいて欲しいものである。
特の北海道地方の皆さんには、緯度が高い分北極海からの寒波の影響が出やすく、穏やかな天気でも突然暴風雪に襲われるなど天候異変が発生するため、特に注意が必要である。今年の3月、突然の暴風雪に襲われて道東の中標津町
(なかしべつちょう)や湧別町(ゆうべつちょう)で、車が相次いで立ち往生するなどして、8人の死者が出たことを思い出して欲しい。9歳の娘さんをかばうようにして凍死した湧別町の漁師・岡田幹男さんの悲しいニュースを忘れないことである。
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