先週末から中東の広いエリアが寒波と大雪に見舞われていることは、先のHP「中東にも雪」と「ガザ地区を襲う二重苦」でお伝えした通りである。温暖な地域と思われがちな中東ではあるが、真冬には気温が下がり降雪もままあることである。しかし
、先週末に中東各地を襲った降雪と寒波は例年とは少々異なるようで、遙か北の北極海からのこの時期の冬将軍の到来には、多くの国民が驚き、戸惑ったようである。
「百聞は一見に如かず」、今世紀最大の寒波と降雪が中東の広いエリアに及んだことを実感して頂くために、13日前後のトルコやイスラエル、それにシリア、ヨルダン、エジプトなど
中東各国の記録的な雪景色を写真で見て頂くことにした。
季節は冬とは言えまだ12月初旬。 エルサレム、ダマスカス、カイロの12月の平均の最低気温は4〜10度、こうした地中海沿岸の比較的温暖な地一帯がこの時期に、広範囲にわたって
記録的な冬将軍に見舞われることは、地球寒冷化のシグナルと受け取るべきかもしれない。
それを示すようなニュースが米国とオーストラリア、そして南極から届いている。米国では、今年の夏は暑さの記録を更新した観測地点が667ヶ所に比べ、低温の記録を更新した観測地点が2899ヶ所と圧倒的に多く、寒冷化を示している。また、冬に入った米国では既に2000ヶ所以上の観測地点で、低温と降雪の記録が更新されたようである。
また、オーストラリアでは夏の12月に雪が降り、さらには、12月10日付けのイギリスのガーディアン紙
は、NASAの衛星からの観測結果として、最低気温が大幅に更新されたことを伝えている。これまでの記録は、今から30年前の1983年7月21日に南極で観測された89.2度。それが今年7月31日に同じ南極
東部で92.9度(135.8F)という最低気温が観測されたというわけである。
こうして見てみると、温暖化に向かって進んできた気候変動もピークを迎え、寒冷化へと方向転換を始めたようである。どうやら、地球は
これから先、温暖化と寒冷化の両局面が錯綜し、極端な暑さと寒さが繰り返されることになりそうである。猛暑と乾燥化により「干ばつ」と大規模な「森林火災」が発生する一方で、かって経験したことのないような「遅い春」と「早霜」が到来し、寒さと大雪で農作物が減収。
冷風は春まで続くようになり、成長の季節を短くする。種まきをする前にモカシン(雪かき)で雪をかき分け、そのために指おおい(手袋)がすり切れるときが来る。・・・・・・『謎多き惑星地球』に記したホピの預言が思い出される。
内戦が続くシリアにも雪
冬の嵐が中東全体を吹き荒れる中、400万人の避難民が国内に留まるシリアでも降雪に見舞われ、悲惨な難民生活に追い打ちをかけている。