「神々の楽園ペルー・写真展」のご案内
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サルカンタイ山(写真1)
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クスコの北西約65キロにあるビルカバンバ山群の最高峰。世界百名山の一つに数えられており、古くからインカの人々の信仰の山である。
標高6271メートル、富士山より遙かに高いのこの山をこの位置から撮影するには、飛行機をチャーターし酸素マスクをつけて撮影するしかない。 しかし、私はそんな難しいことをせず撮ることが出来た。その経緯
に関心がある方には、ギャラリーに来られた際にお話ししよう。 |
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既にお知らせの通り徳乃蔵ギャラリーでは、私の撮影した「神々の楽園ペール写真展」を開催中である。およそ4年間にわたって何度かペルーアマゾンを訪ね、撮影したジャングルに棲む珍しい野鳥や動物、蝶、そして風景の写真が展示されている。
写真の腕前は別にして、展示されている野鳥や動物たち姿を、読者が他でご覧になられる機会は極めて少ないはずである。なぜなら、数回にわたる訪問で現地に住む先住民から、日本人には初めて会ったという話を
何度も聞かされているからである。
マヌー地方の入り口までは行かれた方はいるようだが、ジャングルの中奥深くまでは足を延ばしてはいないようだ。
撮影で訪れたマドレ・デ・ディオス川流域はもとより、マヌー国立公園は公園とは名ばかりで宿泊する施設はわずかなジャングル地帯である。主に乾期(6月から9月)を狙って訪ねるわけだが、それでも湿度は高く、温度も40度を超している。そんなジャングルの中でテントを張り
、ジャガーやワニなどから隠れながらの撮影に、わざわざ出かけていく日本人は少ないのだろう。
最後の1ヶ月間にわたる撮影を終えてから既に6年ほどが経過した。その間にも気候変動と焼き畑などの自然破壊によって、貴重な動植物は凄い勢いで消滅へと向かっている。恐らくこれから私が訪ねたのと同じエリアを回ったとしても、撮影
した野鳥や動物たちの姿を再び撮影することは大変難しくなっていることだろう。撮影どころか、姿さえ見れなくなっている野鳥や蝶たちが数多くいるのではないだろうか。
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カンムリオウギワシ(写真2) |
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命がけで撮影した写真の一枚である。世界の猛禽類の中でも最も大きい種の一つで、体調は1メートル弱。、ヒナと並んだ姿を撮ることは至難の業である。カンムリオウギワシが雛をかえすのは2年に一度で20メートルを超す高い木の股に巣を作るからである。
今回は撮影している最中に先住民から雛が孵った胸の連絡を頂いたので、運良く駆けつけることが出来たというわけである。
しかし、パイプで造られた高さ20メートルの塔を重さ6キロの600ミリ望遠レンズと三脚、2台のカメラをガイドと手分けして担いで登るのは命がけである。しかも、気温40度、湿度100%近い蒸し風呂のような気候の中である。パイプにかける手が滑ったら一巻の終わりである。
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今回展示してい「シロアゴキリハシ」や「ソライロ・フウキンチョウ」(野鳥)「エンペラー・タマリン」(猿)、「ジュルア・ドクチョウ」(蝶)などは数回に及ぶ訪問の中でも、私自身一度しか目にしていない動物たちで、次回に展示を予定しているジャノメドリやコビトタイランチョウなどは絶滅に向かっている野鳥だけに、よほどの幸運に恵まれない限り、恐らく写真撮影は難しいのではないだろうか。
4回にわたる旅で撮影できた動植物、中でも野鳥は人に対する警戒心が強いため、目には見えてもなかなか絵になる形でその姿を写真に納めることは容易でない。そんな野鳥たちの姿を私のような未熟者が何故撮影することが出来たのかというと、
「天の采配」と「鳥たちの協力」を頂いたからである。
今回ギャラリーに来られた方が一様に言われるのは、「どの写真も皆、まるで鳥たちが撮って下さいとばかりにポーズを取っているように見えますね」「そのせいか鳥たちと会話が交わせるよう
な感じがします」という感想である。確かにそう言われて改めて見てみると、その種の写真が数多くあることに気がついた。
数羽の雄と雌が一本の枝に前と後向きに止まっているツメバケイの写真(写真3)や後ろ向きのアンデスイワドリが振り返ってまん丸の目をこちらに向けている写真
(写真集の表紙)などはその典型的な例で、確かに鳥たちの協力がないと撮れそうもない写真ばかりである。
それは鳥ばかりではない。猿の撮影を専門にしておられるプロの方でもなかなか撮影できない珍しいエンペラータマリン(写真4)を撮影できたのも、同じ理由かもしれない。
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ツメバケイ(写真3) |
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マ
ヌーの低地にある湖や沼の岸辺に棲み、全長は60センチ、鳥にしては大変珍しいことだが雄と雌のハネが同じ色である。孵化したヒナの翼に2本のかぎ爪がついている。これもこの鳥にだけ見られる特徴で、始祖鳥の直系ではないかといわれているゆえんである。
珍しいことに一本の枝に前向きと後ろ向きに止まって、一枚の写真でその全身を見ることが出来る珍しい光景である。こうした光景はこちらが意図したところで撮れるものではない。きっと鳥たちが撮影に協力してくれたに違いない。
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なぜ私はこうした鳥や猿たちの協力を得ることが出来たのだろうか? ペトロホボット氏が来訪の際に語られた次の言葉の中に、その理由が隠されているのかもしれない。「あなたはアマゾンやアンデスでシャーマンとして活躍していた転生が6回ありました。その間に、絶滅しかかっていた野鳥たちの面倒を
熱心にみられたことがあり、その結果、鳥たちとの間に深いつながりが出来たのです」「動物たちもあなたが危害を加えない存在であることを感じ取っているんです」。
必死の思いで彼らを追い求め、鳥や動物たちとの心の通いがあって撮影した写真には、彼らの生命エネルギーが注がれているのではなかろうか。写真集を購入された読者から「本箱の中から鳥の鳴き声が聞こえてくるんです。これは不思議な本ですね」といったメッセージが何通も寄せられているのは、その生命エネルギー
が発する声が聞こえたからではないだろうか。
私自身も旅の最中に何度か「撮っている」というより、「撮らされている」
「撮らしてもらっている」と感じることが多かったことは事実である。撮影の最中に涙があふれて止まらなかったことも何度かあった。確かに天の采配や鳥たちの協力がなかったら、素人同然の私がこれだけの写真を撮影出来なかったことは確かである。
岩手県や熊本県から来館
された方々に「遠くから来た甲斐がありました、本当に来て良かったです」と、おっしゃって頂けたのは何より嬉しいことであるが、そんなお声を聞けたのは、天や鳥たちのお力添えがあったからに違いない。
6年前に山梨県立美術館で写真展を開催させて頂いたのも、撮らされた写真を自分一人で見て満足していてはいけないのではないか、そう感じたからであった。今回徳乃蔵がオープンしたのを機に、100枚近い写真を3回に分け、アマゾンシリーズ
として年に一度づつ展示しようと思っており、次回は来年の10月を予定している。
早いもので今日から11月、八ヶ岳の紅葉もいよいよ見頃を迎えようとしている。美しい秋景色が広がる八ヶ岳山麓に一度お遊びに来られたついでに、徳乃蔵に
もお寄り頂けたらと願っている。
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エンペラータマリン(写真4) |
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両肩にかかるほどの長くカールした口ひげが特徴で、それゆえエンペラー(皇帝)の名が付いている。体長はたった25センチほどしかなく体重は350キロと軽いため、群れを組んで移動する際にも木の葉を動かす音がしないため、その存在を確認し撮影することが非常に難しい猿である。
オーストラリアから撮影に来ていた猿の写真家が私の写真を見てうらやましがっていたのが印象的であった。この写真もまた天の采配で撮ら
して頂いた一枚である。 |
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1枚の写真には1ヶ月余にわたる長旅に同行し、撮影を
支えて頂いた6人のスタッフのエネルギーも込められている
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★ 展示は12月23日まで開催している予定ですが、11月23、24
、25日は貸し
ギャラリーとして使いますので、私の作品をご覧頂くことは出来ません。ご注意ください。
★ 上映会開催のお知らせ
11月16,17日にはマヤの長老アレハンドロが出演する「Shift
of the
Ages」の上映会を開催します。16日の午後の部は満席となっていますが、16日の夜の部(18:00開場)と17日の午後の部(13:00開場)は若干席が空いておりますので参加ご希望の方はお申し込み下さい。上映の後半は、私の時局談話をさせて頂く予定です。
詳細は http://www.tokunokura.com/
をご覧下さい。
なお、北海道にお住まいの方は、17日に札幌で開催予定の下記映写会にご参加されたらいかがでしょうか。
開催会場 : 札幌エルプラザ 環境研修室(2階)札幌市北区北8条西3丁目
開場時間 : 2013年11月17日(日) 13:45
開場
参加費 :
前売り:3,500円、当日:4,000円
※入場者全員にもれなく映画“Shift
of the Ages”日本語字幕版DVDをプレゼント
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