私はアフリカや中東で発生している難民の悲しいニュースと流入国・南欧の苦難を聞くたびに、あることを想起し明日は我が身と感じることが多くなってきた。あることとは何か? それは隣国
・中国での難民の発生と、彼らの我が国への流入である。
そんなことが世界第2位の経済大国で本当に起きるのか? 彼らが他国へ避難する事態とは一体何か? それは大規模な暴動
、内戦の発生である。
中国のチベット自治区や新疆ウイグル自治区において、共産党政権による非漢民族蔑視と冷遇に対する不満の声が、日に日に高まって来ていることは、既にHPで何度もお知らせしている通りである。
年に10万件を超すデモや政府庁舎での座り込みなどの抗議行動は、こうした非漢族系の人々
だけでなく、世界一といわれる格差社会の中で貧困生活に苦しむ農村戸籍をもった人々たちの不平、不満
によるものである。また、中央や地方政府の役人たちの汚職行為への抗議もその一つである。
最近、焼身自殺者が相次ぐチベット自治区に数万人規模の軍隊
を派遣したり、新疆ウイグル自治区に治安強化策を導入している様子を見ていると、中国政府がいかにかの地域での暴動の発生を危惧しているかが分かろうというものである。
さらにこれから先心配されるのが、こうした恵まれぬ低所得者たちだけでなく、中国経済を牽引してきた中産階級(中流層)の人々による暴動発生である。
そうした事態は何によって引き起こされるようとしているのか? その起爆剤となろうとしているのが「理財商品」という高金利の金融商品のデフォルトである。
理財商品の実体については「中国のシャドウバンキングの実体」や「中国、借金全容にメス」で記した通りであるが、それらの金融商品の償還期限が、いよいよ年末から年初にかけて大量に到来しようとしている
のである。これらの商品の多くは元本保証が為されていないため、経営難に陥っている銀行やノンバンクの破綻によって償還が出来なくなる可能性が大きいのである。
それはまさにサブプライムローンによるリーマンショックの再来である
そうした事態が本格的に発生するようになれば、経済の混乱だけでは済まされず、社会的争乱に発展することことになるかもしれない。老後資金や住宅購入資金、子供の教育資金などを失った人々は、
おのれの投資の甘さなどさておき、その責任をインチキ商品の募集や販売を認めてきた政府に押しつけ、保証を要求することになるに違いない
からである。
理財商品への投資者の多くが、中国人口の23%に当たるおよそ3億人の中流層であり、その金額が2百兆円を上回る凄まじい額であることを考えると、理財商品の破綻は中国経済のクラッシュだけでなく、共産党
政権の崩壊を引き起こす可能性は大である。その結果待ち受けているのは、貴重な財産を失った中流層のデモ隊が北京の中枢・中南海を包囲する非常事態の発生である。
それは、非漢族系の住民や農民戸籍の恵まれない人々、景気低迷で給与の支払いが滞っている工場労働者、建設作業員といった出稼ぎ労働者など、社会の多数を占める底辺におかれた人々の
不満に火をつけ、全国民を巻き込んだ暴動から内乱発生へとつながる危険性が大である。
避難民の流入
そのような事態が発生した時、避難民の逃れる先の一つが韓国であり、我が国であることは言うまでもないことだ。
韓国は陸続きだが、我が国との間には日本海が横たわっている。アフリカ沿岸から小さな船に乗って地中海を渡り、ランペドゥーザ島やマルタ島を目指す人々と同
じように、荒波の日本海を渡って多くの避難民が流入して来ることになる。両者の異なる点は、その避難民の数がいく桁も違うという点である。
なにしろ対象となるのは13億の中国人である。その数パーセントが避難してきただけでも、その数は我が国の人口の半分近くに達する。たとえ1%でも1000万人を超すことに
なるのだから、その数が桁違いであることが分かるはずだ。 その時いかなる事態が発生するか? 想像しただけであなたも鳥肌が立ってくるに違いない。
混乱は中国に隣接する沖縄や九州だけでは済まない。雪崩を打って避難してくる人々は、急ごしらえの避難施設などで対応出来得るものではないからだ。
難民は一気に全国各地に拡散して、「職」と「食」を求めることになる。日本国中が大混乱となるのは必至である。
たとえ理財商品のクラッシュが中国政府の緊急対応策によって一時的に押さえられたとしても、ユーロ危機や米国の債権問題が火を噴いたら、とても押さえ
切れる代物ではない。単位が100兆円を超す途方もない規模であるからだ。こうして見てみると、悪しき事態の発生の時は日々刻々と迫っていることが
お分かりになるはずだ。
もはや、アベノミクスやオリンピック気分などに浮かれている時ではない。米国のデフォルトを心配する人は多くても、日本への避難民流入まで考えが及ぶ人は
少ないようだが、決して荒唐無稽な話でないことがお分かり頂けただろうか。
理財商品の実体とデフォルトの危険性などの詳細については、後日改めて記すことにする。