開き直る米国
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本音を語ったNSAのアレキサンダー長官。米国の「素」がいよいよ表に出てき始めた |
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情報収集問題と無人偵察機による一般市民殺害問題が米国の威信を損なうことになるのではないかと「「米国凋落の兆し」で記した通り、信義を失ったスパイ行為に対して今や米国は世界中から強い非難攻撃にさらされている。
中でもドイツ政府は、メルケル首相の携帯電話の盗聴に対する抗議と違法な情報収集の実体を聞き出すために、高官二人を米国に派遣するところとなった。そうした中で開かれた米国議会の公聴会で、NSA(米安全保障局)のアレキサンダー長官と国家情報局のクラッパー長官は、こうした行為は長年の慣習でヨーロッパ各国も同様なことをしてきている、と反発発言をしている。
両長官の発言に対して、さっそくドイツの連邦情報局のシンドラー長官は、ワシントンのドイツ大使館では通信傍受による情報収集活動は一切行われていないと明言。どうやら、両国の大きなずれが次第に不協和音を大きくし始めているようである。
米国の両長官の発言は、先のオバマ大統領の盗聴行為否定の発言が虚偽であったことを示唆しており、米国並びに大統領の威信を大きく傷つけることとなったのは間違いない。それと同時に、米国という国がいざという時には同盟国も平気で裏切る国であることを示した点で、両長官の発言は重要な意味を秘めている。
「たとえ世界からいかに批判されても、祖国を防衛するためなら、盗聴作戦は一つたりとて止める必要はない」といった趣旨の発言は、同盟国だけでなく世界各国の人々に米国国家の本当の姿を垣間見せることとなった。両長官の発言は「おのれが生き残るためなら他国のことなどどうでもよい、信義も道議もくそ食らえだ」、と開き直っていることに他ならないからである。
宇宙からの生命エネルギーの照射によって、「人間の素」が表に出始めていることはかねてからお話ししてきていることであるが、素の表面化はなにも人間個人に限った話ではないようだ。組織や国家においても同様な現象が発現し始めているのだ。
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露呈した共産党政権の素顔
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一段と厳しい監視下におかれるウイグル族の人々
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同様なことが中国という国においても発現し始めてきている。それは28日に発生した天安門広場での車炎上事件に対する中国政府の対応に現れている。事故後、中国政府は事件の概要や捜査状況について一切発表せず、国営メディアによる報道も丸2日間止められていた。
それどころか翌日に、事件の内容を報道するNHKの海外放送の番組が2分間にわたって中断される事態が発生している。恐らく他の海外メディアも同様な事態になったのではなかろうか。こうした行為が中国当局の妨害活動によるものであることは、言うまでもないことである。
こうして事件の真相を国民に知らせずに来た当局は、昨日夜になって突然、中国中央テレビ等を通じて、事件は「ウイグル族による組織的で計画的な暴力テロ攻撃」であると発表。同時に新疆ウイグル自治区での摘発行為を強化し始めることとなった。
中国当局のこうした情報公開のあり方は誰の目から見ても違和感があり、共産党政権に対する不信感がいやが上にも増大するところとなった。5年に一度の中全会(中央委員会全体会議)を目前にしての事件であったために、中央政府も背に腹は代えられぬ対応であったのだろうが、奇しくも共産党政権の実体が毛沢東時代と本質的に何ら変わっていないことを示す結果となった。
こうして、中国という国の素がまた一つ表面化。いよいよ少数民族に対する締め付けと、それに対する更なる反発や抗議行動の先鋭化が進み、中国はこれから先一段と不安定化してくることになりそうである。
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