11日から中東を襲った寒波と大雪の情報は、先日「中東にも雪」でお知らせした通りであるが、昨夜のカタールのテレビ局・アルジャジーラニュースは、その積もった雪がその後の大雨で解けて、パレスティナ自治区のガザ地区の住宅街一帯が冠水に覆われたことを伝えている。
ガザ地区はイスラエルによる経済封鎖により、生活に必要な物資が行き渡らず、長い間苦しい生活が続いている。そんな苦境に陥っている人々の生活に追い打ちをかけるように、寒波と大雪、洪水が発生し、電気やガス、水道が使えない悲惨な状況が発生しているのだ。
平穏な生活が送れている人々にとっても、大雪や洪水の襲来は一大事である。我が国の被災状況がそれを示している。ましてや、生きて行くのが精一杯の非難民や経済封鎖で苦境に追い込まれている人々を襲う自然の猛威は、人々を悲惨の極地へと追い込むことになる。まさに「泣き面(つら)に蜂」であり、お気の毒としか言いようがない。
これから先、フィリピンのルソン島やサマール島を襲った台風を見れば分かるように、記録的な異常気象と巨大災害が人類を襲おうとしているというのに、国と国、民族と民族、宗教と宗教間の争いは止むことなく、憎しみと怒りの炎をますます拡大しようとしているのだから、天の神々もさぞかし嘆き悲しんでいることだろう。
それにしても、経済的、社会的に穏やかな日々が続き、大難を小難へと守られ続けている我々日本人は、なんと幸せなことだろう。そうは言っても、これから先いつまでもこの幸せが続くとは限らない。日々感謝の気持ちを失わずに、果たすべき役割を果たし、学ぶべきことをしっかりと学んで、この世を旅立つ時に後悔することのないよう、実りある日々を送りたいものである。