伊豆大島などの火山が連なる伊豆諸島の海底で、温度が200度近い高温の熱水が噴き出している場所が見つかり、これまで認定されていない活火山である可能性が高いことが研究機関の調査で分かりました。
独立行政法人、海洋研究開発機構の研究グループは、ことし7月と8月、無人の海底探査機を使って伊豆諸島北部の深さ100メートルにある「大室ダシ」と呼ばれる海底の台地を調査しました。その結果、台地の北西にある深さ100メートルほどのくぼみの底で熱水が噴き出している場所が数十か所見つかり、温度を測ると最高で194度に達したことが分かりました。
その周辺には、火山の噴出物でよく見られる硫黄などの固まりが確認されたほか、噴火で出来たとみられる軽石が一面に見つかりました。このため研究グループは、台地は海底火山で、現在も活動を続けている「活火山」の可能性が高いと分析しています。
海洋研究開発機構の谷健一郎技術研究副主任は「熱水の温度が高いことから、くぼみの下には高温のマグマがあると考えられる。水深が浅いため、仮に噴火が起きれば影響が広範囲に及ぶ可能性があり、さらに詳しく調べて過去の噴火の時期や規模などを明らかにしたい」と話しています。