9月6日、中国の大河・長江沿岸にある重慶市では、河川水が不気味な赤色に染まり、市民を不安に陥れている。
重慶市市街地は、長江とその支流である嘉陵江の二つの河川(かせん)に挟まれた形で、半島のように川の中に突き出して。その東端部分が2つの河川が合流する地点である。ここで真っ赤に変色した長江と、黄色がかった嘉陵江の水が、はっきりと境目をつくっているのが確認でき、長江が異常な朱色に変色しているのが分かる。
重慶市内2区の環境保護局の発表によると、沿岸一帯で違法な汚染水排水などは確認されていないという。赤色に染まった原因は、増水期によって上流から一気に押し流された土砂の中に、鉄分が大量に含まれてい
るためではないかとされている。
しかし、当局の発表に市民は納得していない様子で、市民は「長江の周辺で育ったけど、こんな河の色を見たことがない」「上流のどこまで調査したのかを公表しないと、調査結果は信用できない」と不安げに語っている。
2008年の2月にも、湖北省を流れる漢江の下流で川の色が真っ赤に変色し、大量の泡が浮かぶといった異常が発生。水道水への取り入れが停止され、流域住民26万人に影響が出たことがあった。当時の担当者は、「歴史的な寒さが長く続き、その後に急激に暖かくなったために、水中のゴミや微生物が腐乱したためではないか」と語っていた。
今回も、原因がはっきりしないまま、安全宣言が出されて事態は終止に向かうのだろうが、
何と言っても大河長江の変色だけに、はっきりした原因究明がなされないと周辺の住民にとっては不安が残ることになりそうである。
それにしても色が朱色だけになんとも不気味である。