熱波と山火事、暴風雨、砂嵐と記録的な自然災害に見舞われている米国で、今度は、蚊を媒介とした「西ナイル熱」という新たな脅威が発生し始めた。被害は既に全米で32の州に拡大して26人の死者が出る事態となっている。
蚊に刺されると、発熱やリンパ腺の腫れ、嘔吐などの症状が出るようだが、その確率は今のところ1%程だというから発病率はあまり高くはないようだ。しかし、既に26人もの死者が出ていることを考えると市民にとっては大きな脅威である。
そんな中で、いまアメリカ中が注目しているのが10人の死者が出ているテキサス州ダラスで45年振りに行われた飛行機からの殺虫剤の空中散布の結果である。200万人が室内に留まるよう勧告を受けるなか、1
6日には夜を徹して空中散布が行われた。地上での散布では間に合わなくなって来ているからである。
今回の薬剤散布で80〜90%の蚊が死んだものとされているが、確かな結果は1〜2週間後に出るようなので、市民はそれまでは不安の日々を過ごすことになりそうである。
空中散布による薬剤の被害を心配する市民は、庭一面にビニールシートを張っている。犬や猫などへの影響を心配しているからである。散布後に、役所の職員によって公園の椅子などについた薬剤の除去作業が行われているところを見ると、動物だけでなく人間への被害もないわけではなさそうである。特に呼吸器系に障害のある人には影響が大きいようである。
このようなことが米国各地でこれからしばしば繰り返されることになるようだと、散布そのものが恐ろしくなってくる。これまでの災害が自然破壊に対する地球からのカルマの反撃であるとすると、今度の「西ナイル熱」は動物界からのカルマ返しと言うことになるのかもしれないだけに、不気味な感じがしてならない。