この夏アメリカは3000ヶ所以上で史上最高気温を記録、25州で8000万人の人々が熱波の中で悲鳴を上げるという異常高温に襲われた。連日40度を超す信じ難い暑さに
見舞われた街では「拷問のような暑さ」「ミサイル級の汗」といった聞いたことのない表現が飛び交い、住民は「毎日こんなに暑くてはエネルギーが吸い取られてしまう
ようだ」と悲鳴を上げるところとなった。
中西部の熱波は東部から南部にかけても広がり、ABCニュースは連日、異常高温地域は米国国土の70%まで拡大していることを伝えていた。中でも、コロラド州の東に位置する中西部のビルシティでは7月28日になんと46度という、信じ難い異常高温を記録するところとなった。
米国各地で発生した異常事態、あまりの暑さに道路がめくれ上がって走行して来た車が空中高く飛び上がり、鉄道の線路はくねくねに曲がって列車が脱線、空港では旅客機のタイヤが滑走路の中に食い込み、さらには,、畜牛約4000頭が死亡、魚が大量死するなどのニュースを見ていると、まるで高熱の巨大なドームが米国全土を縦横無尽に動き回ってい
たようであった。
しかし、ここに来て様相は一変、北から寒気団が南下して一気に気温が低下、例年にない早い冬が訪れようとしているようだ。中でも大統領選挙のテレビ討論会が行われいるデンパーでは、今週のはじめまでは30度近い夏日が続いていたが、昨日辺りから一気に気温が下がり、
週末には最高気温7度、最低気温は氷点下となり、降雪が予想されている。
この調子では、米国北部一帯は猛暑の夏から秋を素通りして、一気に冬になりそうな気配である。熱波、山火事、砂嵐、暴風雨、ハリケーンと記録的な災害に見舞われてきたアメリカでは、年の最後は、どうやら大寒波に見舞われることになりそうである。
年を追うごとにその度合いを増してきている
こうした米国の異常気象を見ていると、2013年から14年へと向かう世界情勢は気象面からも更に不安が増して来そうである。