死者9人を出した中央自動車道の笹子トンネル天井板崩落事故。事故発生直後からメールや電話で私の身の安全を心配した問い合わせが殺到した。テレビなどほとんど見ない私だけに、「大丈夫ですか?」と言われても最初は何のことやら見当がつかなかったが、テレビ
をつけて事故の様子を見て、はじめて驚かされるところとなった。
東京講演会が1日ずれていたらまさに事故現場に遭遇していたからである。講演会は会場の都合次第で日曜日になることもあり、現実に日曜日の講演会も何度か行ってきている。もしも12月の講演会が、1日(土)でなく2日の日曜日だったら、時間帯からいってちょうど事故現場を走っていたか、事故直後に遭遇していた可能性は大であった。
確か10月の東京講演会に向かっている時だったと記憶しているが、その日は、中央高速で我が家から新宿に着くまで何と4回の交通事故に出くわすところとなった。こんなことは滅多にあることではない。4つの事故がどれもみな目の前で起きる追突事故や接触事故であったのだが、その内の一つは対向車線を走ってきたガソリンを積んだ大型タンクローリーが横転し、30メートルにも達する猛烈な炎を吹き上げる事故であった。
もしも私の車が数秒速くその場に差しかかっていたら、また、上りの進行車線と下りの対向車線との間に10メートルほどの段差がなかったら、間違いなくこの巨大な炎に巻き込まれていたか、それを避けた車同士の衝突事故に遭遇していたに違いない。
人間「一寸先は闇」とは言うが、何時、どこで、どのような災難に巻き込まれるかわからないものである。最近はそうしたことを実感する機会が多くなって来た。それにしても、今回の事故のようにわずか数メートルの差で生死が分かれることを見せられると、人の持つ運・不運について改めて考えさせられてしまう。不幸にして亡くなられた方の御霊(御魂)が一時も早く己の死を悟られて、無事「光の世界」へ戻られることを祈らずにはおられない。
それにしても今回の事故は何か心に引っかかるものがあり、暗い気分が晴れずにいる。富士山噴火や東京直下地震の前兆ではないかと心配する人達もいるようだが、それは別にしても、マスコミが伝えているようにトンネネルの老朽化が原因だとすると、笹子トンネル同様、築後30年前後経過したトンネルは全体の30%に達しているというから日本全国でかなりの数になるに違いない。これから先、地震や地殻移動が多くなってくるだけに同様な事故の発生が心配である。
山の中を走る機会の多い私は、どこに出掛けるにしても半分トンネルの中を走っているようなものである。それだけにトンネルは避けて通るわけにはいかないので、運を天に任せて走るしかない。それより、しばらくは閉鎖が続くことになりそうなので、東京
へ向かうには河口湖経由となり、札幌も帯広も福岡も1時間は遠くなりそうである。