19日付けの新聞に、米国ハワイ大学などの研究チームが太陽観測衛星SDO(ソーラー・ダイナミクス・オブザーバトリー)の太陽観測装置を使って観測した結果、「太陽の形はほぼ完全な球であることを確かめた」というニュースが掲載された。読者も読まれたことだろう。
太陽はその中心を貫く直径をどの角度から測っても、まったく同じ長さである「真円」に近い形をした球体であることが分かったというわけである。ビーチボールにたとえるなら、髪の毛の太さの膨らみもないということになり、地球が極半径と赤道半径の差がおよそ22キロメートルほどあるのに比べるとその差は100分の1ミリしかなく、まさに真円に近い球体であったということになる。
この観測結果には、測定に携わった科学者たちは大変なショックを受けているようである。なぜかというと、高温のガスで出来ている太陽は約1ヶ月の周期で自転していることから、地球と同様、遠心力のために赤道付近で膨らんでいるはずだというのが、これまでの天文学者たちの考えであったからである。
因みに、地球はやや卵形に膨らんだ形状をしているわけだが、その地球の姿を43200分の1の大きさで表しているのが、他ならぬエジプトのギザ台地に建つ大ピラミッドである。つまり、ピラミッドを建造した存在は地球が丸いだけでなく、卵形をしているのを承知していたというわけである。
拙著『謎多き惑星地球』に記したように、彼らは地球の極半径約6,356キロメートルを高さ147メートルで表す一方で、やや形状が横長の楕円形になっている姿(赤道の全周約40,075キロメートル:極周りの全周39,957キロメートル)を、土台の周長(約925メートル)とその外側に造られたソケット(穴)の周長(約928メートル)で表している。
太陽が真ん丸で円形の誤差は髪の毛一本に満たないという記事を読んだとき、思い出したのが昨年5月に目にした英国テレグラフが掲載した記事、「電子は、宇宙に存在するものの中で最も丸い存在だった」であった。ブログ「In
Deep」にその記事が残されていたので転載させてもらったので、見て頂きたい。
英国のインペリアル・カレッジ・ロンドンの研究者たちは、電子の形について、これまででもっとも正確な計測を施した。そして、その結果、電子がほぼ完全な球形であることが判明した。
その亜原子粒子が
0.000000000000000000000000001センチメートル未満の、ほぼ完全な丸であることが確認されたのだ。これは、言い方を変えれば、電子を「太陽のサイズ」にまで拡大したとしても、その円形の誤差の範囲は髪の毛一本の中に収まる程度の誤差となるほどの完ぺきな円であることを意味する。
今回の太陽に関する記事と電子の形状に関する記事を読むと、太陽系に存在するものの中で、最も真円に近い物質は、最大の太陽と、最小の電子であることになってくる。なんとも自然界の不思議というか、宇宙には人智を遙かに超えた神秘さに、ただただ驚かされるばかりである。
それにしても新しい発見がされるたびに、人間の持つ科学知識の低さを思い起こされることになる。宇宙の偉大な真理から見ると、まだまだ地球の科学力は「地動説」を信じていた時代とたいして変わっていないと言うことである。ピラミッド・エジプト人建造説を主張し、UFOや宇宙人の存在を鼻から否定し続ける考古学者や天文学者の姿が哀れに見えてくるばかりである。
こんな先生方にピラミッドは先史文明の遺産であるとか、太陽にも生命体が住んでいるなどと言っても受け付けるはずがない。それにしても今回のニュース記事は、そんな先生方が腰を抜かさんばかりに驚き、おのれの浅はかな知識に恥じ入る日がまた一歩近づいていることを予感させる記事であった。