日本海で急速に発達した低気圧の影響で6日、日本海側を中心に台風並みの暴風が吹き、大荒れとなった。観測された最大瞬間風速は、山形県酒田市の41・3メートル、北海道・奥尻島37・8メートル、新潟県佐渡市36・2メートル、金沢市31・4メートル、秋田市30・4メートルと
まるで大型台風が通過したようである。
各地で転倒などによるけが人や交通機関の乱れが相次いだようだが、北海道各地から寄せられたメールを読むと、横殴りの吹雪の中、雷が鳴り稲妻が光ってまるで映画の
中の一場面のようであったという。本来なら雷や稲妻は夏の風物詩である。それが吹雪の中で見えるのだからなんとも異常としか言いようがない。
これは単に40メートル近い強風が吹いたとかいうのとは次元の違う話である。
5日、季節外れのこの時期、フィリッピン・ミンダナオ島に上陸し1000人近い死者を出した台風24号と一緒である。読者におかれてはその点をよく頭に入れておいて欲しいものである。
気象庁によると、冬型の気圧配置が強まり寒気も南下するため、北海道や東北地方は本日7日も暴風雪に警戒が必要とのことで、講演会で帯広に向かう飛行機の便が少々心配になってきた。無事帯広についても、今夜にかけて60センチを超す大雪が予報されているので、講演会後に札幌に向かう道中がまた心配である。
一方6日には、岡山、広島、福岡の各市では平年より5〜12日早く初雪が観測されたようで、地球温暖化がもたらす地球寒冷化現象が徐々にその姿を現してきたようである。帯広や札幌の皆さんが一人でも多く、そうした地球の変化に気づいて対処されるよう、講演会ではお話をさせて頂くつもりである。
地球温暖化対策を話し合う国連会議COP18も今日で終了予定だが、2015年に向けての京都議定書に次ぐ新たな条約作りは難航しているようである。世界全体の二酸化炭素排出量の45%を占める米国と中国、この両国
が自国の排出量削減に向かって前向きでないばかりか、発展途上国への支援金の拠出に非協力的では、新条約作りは前に進むはずがない。
「財政の崖」で財政削減に取り組もうとしている米国やGDP(国民総生産)が13年ぶりに8%を割り込み農民工の失業が上昇して来ている中国だけに無理もないが、事情は世界各国みな同じである。こんなところにも、地球と人類の行くへに立ちこめた大きな暗雲が見え隠れして
来ているようである。