先月下旬、モスクワが過去50年で一番という70センチの大雪も見舞われたことは「欧州を襲う異常気象」で記した通りであるが、先週
末の14日には、ロシア全域が異常寒波に見舞われ、中でも西シベリア地方のノヴォシビルスク市一帯は昼間の最高気温が−35℃というとてつもない寒波に襲われた
ようである。
シベリアと聞くと、冷凍マンモスの発見された永久凍土の極寒の地と錯覚される方が多いかもしれないが、ノヴォシビルスク市はオビ川沿いにあるロシア連邦第3の都市で
、モスクワと同じ北緯55度に位置する街である。それを考えると、この時期、昼間の最高気温が−35度というのは間違いなく異常な寒さであることが分かる。
因みに、ノヴォシビルスクの12月の平均の最高気温は−12・7℃、最低気温は−16・4度であるから、平年の気温を20度近く下回ったことにな
り、夜は−40℃を超していたというから、記録に残る最低気温−45℃の一歩手前に達していたことになる。
少々の寒さには驚かない住民も超一級の寒気団の到来には参ったようである。多くの居住区で暖房システムがダウンしてしまい、暖が取れない状況に追い込まれたというから、
さぞかし大変だったことだろう。
12月中旬はまだ冬の始まりである。厳しい寒さはこれからが本番だけに、ロシア政府も対策に大わらわで、ロシアのテレビ「RTR」を見ると、関係閣僚を前にして、メドベージェフ首相は「気象庁は今年の寒さはここ10年で最も厳しいもになると言っている」と
述べ、万全の対策を講じるよう指示を出していた。
米国、中でも西海岸一帯は今年初めから異常な暑さに見舞われ、冬場に入ってもまだ平均気温を上回る日が続いているのとは反対に、ヨーロッパからロシア、韓国、日本は例年を10℃も下回る寒さに襲われている。
地球の気象は完全に狂ってしまったようである。
どうやら、この冬は相当厳しい寒気団に襲われることを覚悟しておいた方が良さそうだ。因みに、私の住む北杜市は最低気温が−16℃ぐらいまでいったことがあるようなので、今年はそれを上回ることになるかも知れない。